新着情報
FAO、今年の穀物は大豊作と予測、穀物や原油価格は低下
FAOウェブサイトGlobal food prices continue to drop
http://www.fao.org/news/story/en/item/195887/icode/
（以下、バイテク情報普及会 訳）
世界の食料価格は引き続き低下
穀物や原価価格は低下― FAO、今年の穀物は大豊作と予想
2013年9月5日、ローマ ― FAO食糧価格指数は四か月連続で下落し、8月には2012年6月以来の低水準となりました。
主要食料産品の国際価格の月次変動を示すこの指数は、2013年8月の平均値が201.8となり、7月よりも4ポイント（1.9%）低下、2012年8月より11ポイント（5.1%）低い水準となりました。
先月の下落は、主に穀物や原油の国際価格の続落が影響しました。乳製品、肉類や砂糖の価格は若干上昇しています。
穀物価格の急落
FAO穀物価格指数の8月の平均値は210.9となり、7月比では16.4ポイント（7.2%）の低下、2012年8月比では49.4ポイント（19%）の下落となりました。
この急落は、今年の穀物生産量が世界的に増加する見通しであること、特にトウモロコシの供給量が急激に回復する見通しであることが、背景にあります。
原油、乳製品と肉類
FAO原油/油脂価格指数は、8月の平均値が185.5ポイントとなり、7月の価格より5.7ポイント（3.0%）低下、三か月連続での下落となりました。
FAO乳製品価格指数は、8月の平均値が239.1ポイントとなり、7月より2.8ポイント（1.2%）上昇し、前年8月の水準を37%上回りました。先月は、主要な輸出国からの供給量が低下したバターを除き、その他指数に含まれるすべての乳製品では価格が上昇しました。
The FAO Meat Price Index averaged 175.0 points in August, an increase of 2.2 points (1.3 percent).
FAO肉類価格指数の8月の平均値は175.0ポイントとなり、7月に比べ2.2ポイント（1.3%）の上昇となりました。
豊作に期待
食料価格指数とともに、FAOは2013年の世界穀物生産について新たな予測を発表し、生産量が24億9,200万トンに上ると推定しています。アルゼンチンのトウモロコシ生産量増加が公式報告されたこと、また、EUや東欧における生産量も改善の見込みであることから、7月の予測に比べ1,400万トン（0.5%）上方修正されました。
最新の予想水準では、世界の穀物生産は、2012年対比で1億7,900万トン（7.7%）増加し、新たな記録となる見込みです。
この回復は、粗穀粒の生産量が10.5％拡大し、12億8,500万トンに達する見込みであること、小麦の生産量が7.6%上昇し、7億1,000万トンとなる見通しであること、を踏まえたものです。
世界のコメ生産量は、1.3%上昇すると予想され、精米換算で4億9,700万トンと、過去最高を記録する見込みです。
米国のトウモロコシ生産の回復
2013年の世界の粗穀粒生産量増大は、トウモロコシの生産量が急回復（9億8,300万トン）する見通しによるもので、今年の米国のトウモロコシ生産量が、2012年の干ばつで低下した生産量に比べ、25%（6,900万トン）増加、3億4,300万トンに達すると見込みであることが大きな要因となっています。
穀物の利用
2013/14年度の世界の穀物利用量は、24億1,300万トンと推定され、前回予測よりわずかに低いものの、2012/13年度に比べると、まだ3.2%高い水準にあります。
最新の予測によると、人が直接消費する穀物量は1.2%拡大し、10億9,400万トンに上ります。これは、世界の一人あたりの穀物消費量が、152kg強で安定していることを示しています。ちなみに、小麦は67kg、米は約57kgとなっています。
穀物在庫
2014年シーズン末時点の世界の穀物在庫は、今回の予測では、主にトウモロコシ在庫の増加が見込まれることから、5億6,900万トンへと7月から若干上方修正されました。今シーズンの期首在庫からは、13%（6,550万トン）増加し、2001/02年度以来の高水準となる見込みとなっています。
現在の総需要予測に基づけば、シーズン末在庫の増加により、在庫/消費比率は、23.3％に上昇することとなり、2002/3年度以来の高水準となります。
「穀物市場における全体的な需給状況は、特にトウモロコシで、干ばつによる生産量の減少や在庫/消費比率の低下が大きな問題となった昨年同期に比べ、かなり改善している」とFAOの貿易・市場部のデビットハラム氏は述べています。
