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欧州司法裁判所、EU域内における遺伝子組み換え作物の栽培の権利を再確認

 欧州バイオテクノロジー産業連合(EuropaBio)は2012年9月7日、欧州司法裁判所がこのほど、EU加盟国において、農家が遺伝子組み換え作物を栽培するための条件を明確にしたと発表しました。欧州司法裁判所は、欧州食品安全機関(EFSA)による既存の認証手続きに加えて、さらに国ごとに新たな承認手続きをした場合、これを法的に無効であるとしたのです。また、非遺伝子組み換え作物との共存策を講じなくてもよいと付け加えました。

 これまで、ヨーロッパで遺伝子組み換え作物の栽培が法的に許可されているにもかかわらず、農家に遺伝子組み換え作物を栽培する権利が現実に認められなかったのは、イタリアによる政治的圧力のためです。これに対してEuropaBio・植物バイオテクノロジー担当部長のCarl du Marchie Sarvaas氏は、「2011年にも、フランスの遺伝子組み換え作物栽培禁止令に対し、欧州司法裁判所による同様の判定がありました。繰り返しますが、今日、EUの遺伝子組み換え作物の栽培をEU加盟国が禁止することは、欧州司法裁判所によって認められていません。遺伝子組み換え作物を栽培する農家の権利は守られるべきです」とコメントしました。

 農業革新は、拡大する食料への様々な問題解決に役立っており、農家に利益をもたらします。例えば遺伝子組み換え作物の栽培は、収量の増加、病害虫などへの抵抗性、収穫後の品質保持、霜害・乾燥・塩害・高温などの環境ストレスへの耐性、栄養価の改善などのメリットをもたらし得ます。こうした理由から、世界中で1600万人以上の生産者が遺伝子組み換え作物を栽培しているのです。英国PG Economics のBrookes 氏と Barfoot氏の2011年調査によれば、1996年以降遺伝子組み換え作物のおかげで世界の農家は440億ユーロ(約4兆4880億円)以上の収益を上げており、この利益の57%が収量増加によるものであるとのことです。

詳細は、欧州バイオテクノロジー産業連合(EuropaBio)が2012年9月7日に公表したプレスリリースをご参照下さい。
http://www.europabio.org/agricultural/press/european-court-justice-confirms-farmers-right-cultivate-gm-crops

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