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植物バイテクシンポジウム「有機農業と遺伝子組み換え作物 将来の90億人を養うために今考えること」開催

 第22回植物バイテクシンポジウムが12月17日(土)、京都府立大学の大学会館で開催されました。シンポジウムのテーマは「有機農業と遺伝子組み換え作物の利用」で、この二つの技術を上手に使うことによって、人口が増大する将来、環境持続型の食糧生産が可能になるのではないかというものです。

 現在、有機農産物や加工品の有機JAS規格やUSDAの有機基準では、遺伝子組み換え作物の栽培は認められておらず、常識的には有機農業と遺伝子組み換え作物は正反対のものと思われがちです。しかし、有機農業技術も遺伝子組み換え技術も、肥料や農薬の使用量を減らした持続型農業を目指すという点では共通しています。

 これら二つの技術の融合については、遺伝子組み換え作物の研究者である米国のPamela C. Ronald教授が、夫で有機農業の指導者であるRaoul W. Adamchak氏と共に発行した書籍「Tomorrow’s Table Organic Farming, Genetics, and the Future of Food」で提案されており、この日本語翻訳版「有機農業と遺伝子組み換え食品 明日の食卓」が丸善から出版されています。本シンポジウムは、この翻訳者である京都府立大学の椎名 隆教授らが、その内容について講演で紹介しました。

 今回のシンポジウムは一般公開向けに開催されたこともあり、参加者は研究者や学生だけでなく有機農家や一般消費者など100名を超え、活発な議論を繰り広げられました。それぞれの立場から、持続型農業のための可能性が提案されました。また、会場には害虫抵抗性トウモロコシや遺伝子組み換えによる青いカーネーション、輸入が解禁されたばかりのハワイ産ウイルス抵抗性パパイヤが展示されました。休憩時間には、遺伝子組み換えパパイヤの試食も行われました。

シンポジウムの詳細はこちらをご参照ください。
http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?frmId=2396
丸善の「有機農業と遺伝子組み換え食品 明日の食卓」はこちらをご参照ください。
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/news_event/2011/yuuki_idenshi.html

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