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農研機構・作物研究所 小麦の穂発芽耐性関与遺伝子を発見
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)作物研究所らの研究チームが、小麦の種子休眠性の制御に関与する遺伝子(MFT遺伝子)を明らかにしたと発表しました。今後、新たに開発したMFT遺伝子のDNAマーカーを用いることにより、穂発芽耐性小麦品種の開発に貢献することが期待されます。
小麦は収穫前に梅雨などが重なって雨が多く降ると、穂の中で発芽してしまい品質に悪影響を及ぼし、小麦生産者に大きな被害をもたらしています。この穂発芽には、種子の休眠性が関与しており、休眠性が弱いと穂発芽が起こりやすくなります。研究チームは小麦の種子休眠性の制御に、これまで機能が未知であったMFT(Mother of FT and TFL1)遺伝子が関与していることを明らかにしました。
さらに、MFT遺伝子の機能発現に関わる領域において、休眠性の強い品種と弱い品種の間で塩基配列が異なることを明らかにし、その配列の違い(多型)を識別するためのDNAマーカーを開発しました。このDNAマーカーを利用することで、穂発芽しにくい小麦品種の開発に貢献することが期待されます。
本研究は、作物研究所のほか(独)農業生物資源研究所、(独)農研機構 中央農業総合研究センター、岡山大学資源植物科学研究所、横浜市立大学木原生物学研究所および帯広畜産大学と共同で行ったものです。
詳細は作物研究所の以下のプレスリリースをご参照ください。
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nics/018118.html