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ブラジル 国産・遺伝子組み換え「フェイジョン」豆を初めて承認

 ブラジルの科学技術省の国家バイオ保全技術委員会(CTNBio)は、ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)によって開発された遺伝子組み換えインゲン豆「フェイジョン」の商用栽培をこのほど承認しました。新しい品種はウィルス病耐性が付与されているもので、ブラジルにおける国産の遺伝子組み換え開発品種としては初めての承認となります。また、フェイジョンの遺伝子組み換え品種の開発としても、世界初となります。

 ラテンアメリカにおけるフェイジョン栽培の最大の敵は、黄金モザイクウィルスという病原菌です。1990年代より拡大して、農作物に甚大な被害を与えてきました。ブラジルのEmbrapa社は10年がかりで、このウィルスに抵抗性のある新品種の開発を行いました。これまで病原菌によって引き起こされた損失は、500万人から1千万人分の食糧に匹敵するものでしたが、新品種の開発によって生産性が向上し、殺虫剤の使用を避けることも可能となりました。

 日本では聞きなれないフェイジョンというインゲン豆ですが、ブラジルでは多くの人が毎日のように白米にかけて食べる家庭料理の材料として欠かせないもので、ドライビーンとして流通しています。豚肉や牛肉と煮込んだ料理「フェイジョアーダ」はブラジル料理の定番としても有名で、ブラジル人の良質な植物タンパク質摂取源として常食されています。

 遺伝子組み換えフェイジョンは2年以内にブラジルの食卓に登場する予定になっており、今後の安定的な食糧供給が期待されています。

Brazil Embrapa Website
http://www.cenargen.embrapa.br/_comunicacao/2011/cenargenda/cenargenda62_en_2011.html

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