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東京農工大学大学院、名古屋大学 増収量、倒れにくくなるイネの開発

東京農工大学大学院の大川准教授と、名古屋大学生物機能開発利用研究センターの松岡教授らのグループは、イネの収量を増やし、茎を湯得する遺伝子を発見しました。 これらの結果は、英国雑誌Nature Communicationsに発表されました。
研究では、日本の代表品種「コシヒカリ」に比べ強く太い茎を持つインド型品種「ハバタキ」のゲノムを検討したところ、茎に太さを付与する遺伝子SCM2(STORONG CULM2)を発見しました。

さらにSCM2遺伝子を詳細に調べた結果、茎の成長点で働き穂の形成にも関わるAPO1という遺伝子であることを発見しました。APO1は茎の成長点を大きくし、穂や茎の細胞分裂を活性化する働きがあり、SCM2のゲノム部分を交配で導入した系統は、従来よりも茎の外径で16%、断面積で35%太く、またタネの数が増加しました。実際の栽培状況を見たところ、2009年登熟期(タネが実る時期)の台風でも倒伏が見られませんでした。また、タネ数の増加は収量の増加につながり、従来のコシヒカリよりも10%増量したことで、倒れにくい上に収量の多い品種への改良が可能になると期待されました。

現在日本で栽培されている品種のほとんどが、茎が細く倒れやすい性質であるため、SCM2による今回の成果を初めとして、その他茎の強度を付与する遺伝子の導入が今後の茎の強い品種の開発に大きく貢献するとしています。

東京農工大学ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/disclosure/pressrelease/2010/20101201185956/index.html

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