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理化学研究所 日本人の全ゲノム解読に成功

(独)理化学研究所横浜研究所の、ゲノム医科学研究センター情報解析研究チームは初めて日本人の全ゲノム配列を解析しました。今回の解析には、次世代シークエンサー(DNA解析装置)を用いて約313万個の一塩基多様性※1を約99.9%の高精度で検出しました。この成果は、米国科学雑誌「Nature Genetics」オンライン版に掲載されました。
これまで、次世代シークエンサーは精度の良い解析方法が確立せず、日本人での報告はまだありませんでした。しかし今回、日本人男性1人の全ゲノム配列の解析を達成し、加えて、数学的解析を行い多型よりも頻度の低い一塩基多様性を検出しました。そこから、海外の別々の研究グループから報告されている欧米人、アフリカ人、中国人、韓国人の6人の全ゲノム配列と日本人の全ゲノム配列を比較し、集団では見失われていた遺伝子の機能に影響を与える一塩基多様性が、個人個人には多いことを発見しました。 また、様々な種類の多様性も網羅的に見いだし、ヒトゲノムには未発掘の多様性に富んだDNA塩基配列が数多く存在し、全ゲノムシークエンス解析は、それらを完全に理解するために極めて重要なアプローチであることが示されたとしています。
また、今後数年から5、6年ぐらいの間に、全ゲノムシークエンス解析によってさまざまな病気にかかわる未知の多様性が発見されると予想しています。その結果、オーダーメイド医療がますます進展し、病気の研究に新たな展開をもたらすことなど、様々な成果を挙げると期待しています。
独立行政法人 理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/101025/index.html

※1多様性
多様性は、集団内の頻度にかかわらず、個人間の違いを総称したものを指す。一般に多型は集団内の頻度が1%以上の個人間の違いを指し、多様性は多型を包含する。

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