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2つの転写因子がイネツングロウィルス感染の防御に関与することを発見
アメリカのドナルド・ダンフォース植物科学研究センターは、2つのイネタンパク質(RF2aとRF2b)のいずれか一方が過剰発現する遺伝子組み換えイネには、イネツングロウィルスの感染に抵抗性があることを発見しました。
イネツングロ病は東南アジアで流行している植物の病気で、この病気によって世界のコメ生産は、年間およそ15億ドルの損害を受けていると言われています。イネツングロ病発生のメカニズムは複雑で、2つの異なるウィルス、媒介虫と宿主であるイネの相互作用で発生します。
RF2aとRF2bは、植物の生長にとって重要である転写因子であることが分かっていますが、今回さらに、ウィルス感染に対する防御メカニズムを制御している可能性が示唆されました。
この発見によって、ウィルス感染にどのタンパク質が関わっているのかということと、2つの転写因子RF2aとRF2bが、いかにして植物体中で特定の遺伝子を発現するのに関わっているのか、より明確な理解につながります。
RF2aとRF2bを過剰発現する遺伝子と、媒介虫への抵抗性をもたらす遺伝子を導入することで、イネツングロ病に耐性を持つ新しいイネ品種の開発が期待されます。
ドナルド・ダンフォース植物科学研究センターホームページ
http://www.danforthcenter.org/newsmedia/NewsDetail.asp?nid=157