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アメリカ中西部のワイン産業への貢献が期待される、遺伝子組み換え除草剤耐性
イリノイ大学のRobert Skirvin氏は、2002年から、遺伝子組み換え技術を用いてブドウに2,4-D耐性を付与させる研究を進めています。2,4-Dは50年以上前に導入されて以来、アメリカで最も多く用いられている除草剤のひとつです。2,4-Dはトウモロコシや穀物の栽培の際に用いられますが、ブドウはこの除草剤に耐性を持たず、2,4-Dに曝されると枯れてしまいます。
研究ではまず、2,4-Dに耐性のあるバクテリアから単離した2,4-D耐性遺伝子をブドウ細胞に導入しました。その後、組み換えが起こった細胞のみを単離、組織培養をして茎と葉(シュート)を得ました。その後、シュートを温室で生育させ、結実させることにも成功し、2,4-D耐性の有無や、2,4-Dが植物体中でどのような動態をとっているのかを調べるために、2,4-Dを1ヘクタール当たり0.5kg、5kg、10kgずつ散布した室内ほ場での栽培が行われています。
2,4-D耐性ブドウは、2,4-Dを散布する区域を判別する生産者の負担を軽減することから、2,4-Dを用いた作物栽培が行われているアメリカ中西部のブドウおよびワイン産業に大きな利益をもたらすことが期待され、Skirvin氏は、「2009年の春までには、野外の隔離ほ場における2,4-D耐性ブドウの試験栽培許可を得たい」と述べています。
イリノイ大学ホームページ
http://www.aces.uiuc.edu/news/stories/news4528.html