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テキサス大学、バイオ燃料への活用を視野に遺伝子組み換え藍藻を開発

テキサス大学のMalcolm Brown氏とDavid Nobles氏の研究チームは、遺伝子組み換え技術によるバイオ燃料の原料に適した藍藻の開発に成功しました。。
バイオ燃料とは生物資源から作られる再生可能燃料のことで、地球温暖化防止対策や、石油代替燃料として注目されています。主な原料となるのはトウモロコシやサトウキビ等の穀物のため、食糧不足や穀物価格の高騰を招かないよう上手に使い分けるための研究開発が進められています。可食部にならない高等植物の繊維部分は難分解性の天然高分子化合物「リグニン」とバイオ燃料の原料となる「セルロース」が複雑に絡み合って構成されているため、いかに効率的にリグニンを除去し、セルロースを糖に分解するかが課題の一つとされています。
今回の研究では、セルロース生産性の高いことで知られている酢酸菌(Acetobacter Xylinum)から得られるセルロース産生遺伝子を藍藻に組み込み、藍藻にセルロースを作らせることに成功しました。この藍藻から得られたセルロースは純度が高くリグニンが存在しないため、効率良く糖に分解することができます。また、セスロール以外にグルコースやスクロースのような糖を分泌することもわかりました。
この藍藻のメリットとして、(1)太陽光がグルコースやセルロース産生のためのエネルギー源である、(2)藍藻を傷つけたり破壊したりすることなく糖類を連続生産することが可能である(トウモロコシやサトウキビの場合は作物収穫後に酵素や機械処理をして糖類を取り出す)、(3)大気中の窒素を利用して成長するため栽培に化学肥料を使用する必要がない、等が挙げられました。これらに加え、人の生活や耕作に適さない土地と塩水を利用して生産することが可能で、バイオエネルギー生産に活用することでエネルギー問題に大きく貢献できると期待されています。

テキサス大学ホームページ
http://www.utexas.edu/news/2008/04/23/biofuel_microbe/

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