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オーストラリア 遺伝子組み換えによる病害抵抗性バナナの試験栽培を承認

2008年7月、オーストラリアのクィーンズランド工科大学は、オーストラリア連邦政府遺伝子技術規制局(OGTR)より、病害抵抗性を持つ遺伝子組み換えバナナの開放系による試験栽培の承認を受けました。この農園規模で壊滅的な被害をもたらすフザリウム萎凋病への有効な予防法の1つとして期待されています。
これまでオーストラリアのクィーンズランド工科大学(QUT)では、バナナにおけるフザリウム萎凋病に抵抗性を持つタンパク質を作る遺伝子の探索を続けてきましたが、承認により2008年7月から2010年4月の間、クィーンズランド州において最大1.4ヘクタールでの試験栽培が可能となりました。
この遺伝子組み換えバナナは線虫由来の遺伝子が組み込まれ、フザリウム菌の感染による細胞のアポトーシスを防ぐたんぱく質を作ることで、バナナに病害抵抗性を付与することが期待されています。
パナマ病としても知られるフザリウム萎凋病は、土壌中のカビの一種であるフザリウム菌が、作物の生育を阻害し枯らす植物の病気です。特にバナナでは、世界中で栽培されている品種の大部分が、Cavendish種という同品種の挿し木による栽培のため、感染が拡大すると世界的に大規模な被害をもたらすと考えられ、深刻な問題となっています。

フザリウム萎凋病の確実な予防方法はまだ確立されておらず、現在は、組織培養や菌に汚染されていない土壌など、フザリウム菌が存在しない環境での栽培が有効だといわれています。しかし、コストが高いため一般の農業での利用は難しく、遺伝子組み換え技術による予防法の確立が期待されています。

OGTRホームページ
http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir079-2007

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