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NPO法人北海道バイオ産業振興協会 バイオサミット:地球環境を改善するアグリバイオを開催

NPO法人北海道バイオ産業振興協会は6月30日に札幌会場(かでる2・7)、7月1日には東京会場(東京大学)でバイオサミット「地球環境を改善するアグリバイオ」を開催しました。

7月7-9日に開催される北海道洞爺湖サミットに合わせ、地球温暖化と食糧エネルギーの供給確保といったこれからの緊急課題に向けて、どのようにバイオテクノロジーを利用していけばよいか、各国で最新の遺伝子組み換え作物に携わる研究者などの講演が行われました。

東京会場ではまず、山川隆準教授(東京大学大学院)が、日本における研究開発の現状として、花粉症緩和米や、鉄欠乏耐性イネなどが圃場試験に入っており、日本で開発された遺伝子組み換えによる青いバラは来年から発売されるであろうと紹介しました。また、世界での状況を踏まえて、休耕田を利用した農業のビジネス化、医薬品の開発など日本の展望に触れ、今後は正しい情報提供と技術的な安全確保など元に遺伝子組み換え技術を普及させていきたいと述べました。

次に、フィリピンでベータカロテンを含むコメ「ゴールデンライス」の開発を進めるロードラ・ロメロ・アルデミタ博士は、フィリピンを始め途上国で深刻な課題となっているビタミンA欠乏症におけるゴールデンライスの有効性を説明しました。また、各国の地方風土に合わせて開発を進められるようにも配慮されていると解説し、フィリピンでは2011年の商品化を目指していると述べました。

オーストラリアビクトリア州一次産業省バイオサイエンス研究局エグゼクティブディレクターのヘルマン・シュパンゲンベルク教授は、今後考えられる人口の増加や気候変化、水資源の減少による農業へのダメージを踏まえ、少ない資源から食糧の増産を目指す飼料用ライグラス、ヒトの健康に寄与する低アレルゲンライグラスなど最新の研究を解説しました。また、オーストラリアでは現在、遺伝子組み換えによる干ばつ耐性や塩害耐性コムギの試験栽培が行われていることも紹介しました。

米国大使館の佐藤卓氏は、米国における遺伝子組み換えの各機関による規制と取り巻く状況について解説しました。米国でも労働力の減少が進んでいると述べ、コストの削減や収量の増加、安定した生産のために貢献しうる遺伝子組み換え技術は、労働力の低下に対しても有益な手段の一つとなりうると述べました。

NPO法人北海道バイオ産業振興協会
http://www.hobia.jp/

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