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奈良先端科学技術科大学院大学と京都大学、遺伝子組み換えでストレス・炎症・アレルギーを抑制するレタスの開発に成功
奈良先端科学技術科大学院大学と京都大学の研究グループでは、遺伝子組み換え技術を用いて、ストレス・炎症・アレルギーを抑制するタンパク質(ヒトチオレドキシン1)を産生するレタスの共同開発に成功しました。その成果は、3月26日開催の日本農芸化学会において発表されました。
ヒトチオレドキシン1は、人間の体内で作られるタンパク質の1つで、ストレスによって増える活性酸素の消去や抗酸化作用に加え、呼吸器や消化器の炎症やアレルギーの抑制にも効果があることが知られています。このため、酸化ストレスや炎症性疾患に対する治療薬としての利用が期待されています。
今回の研究では、遺伝子組み換え技術を用いて、レタスの葉緑体内のDNAにヒトチオレドキシン1遺伝子を導入しました。その結果、ヒトチオレドキシン1をレタスの葉緑体で効率良く産生させ、貯蔵させることに成功しました。ヒトチオレドキシン1の生産には大腸菌を使う方法もありますが、今回のようにレタスなどの植物を利用した方法は、安全性やコスト面でより優れており、環境にもやさしいと注目されています。
今回の成果は、炎症性疾患に対する治療薬の実用化段階に広く応用されることが期待されています。また、新しい化粧品などの素材や健康食品としての利用にも注目が集まっています。
奈良先端技術大学ホームページ
http://www.naist.jp/pressrelease/detail_j/topics/344/
京都大学ホームページ
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/2008/news6/080428_1.htm