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農林水産省 セイヨウナタネの生育域は拡大していないことを確認
農林水産省は、2002年度から実施している委託プロジェクト研究「遺伝子組み換え生物の産業利用における安全性確保総合研究」における主な成果を中間的にとりまとめ、このたび発表しました。今後、遺伝子組み換え作物の実用化研究を進める上で、消費者や生産者の安心や信頼につながる4つの研究成果が紹介されました。
ひとつは、輸入港周辺におけるセイヨウナタネのモニタリング調査結果です。日本ではサラダ油などの原料としてセイヨウナタネの種子が輸入され広く利用されています。これらのセイヨウナタネがこぼれ落ちて輸入港周辺(茨城県鹿島港)で生育していることが報告されましたが、調査の結果、日本の環境中に生育域が拡大していないことが明らかにされています。さらに2006年7月から2007年6月にかけて実施された追加調査の結果、セイヨウナタネが他の植物を駆逐して生育域を拡大していないことも確認され、このたび発表されました。
あわせて、遺伝子組み換え品種について調査されましたが、生育は確認されませんでした。日本に輸入される遺伝子組み換えセイヨウナタネについては、事前に「遺伝子組み換え生物等の使用等規制による生物の多様性確保に関する法律」に基づいて、生物多様性への影響評価が行われています。今回の調査結果からも生物多様性影響評価の内容が適切であることが確認されました。
その他の研究として、花が閉じたままで受粉できるため(閉花受粉性)花粉を飛散しないイネや、花粉を作らない(雄性不稔性)アブラナ科作物の開発状況が報告されました。イネの閉花受粉性やアブラナの雄性不稔性を引き起こす遺伝子が特定され、今後はこれらの性質をもった遺伝子組み換え作物の開発が進められる予定です。
農林水産省ホームページ
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/2007/0921.htm