新着情報

遺伝子組み換え農作物に関する「第1回大規模コミュニケーション会合」開催

農林水産省は9月25日、遺伝子組み換え農作物の可能性と今後の研究開発の方向をテーマに、「第1回大規模コミュニケーション会合」を、都内で開催し、消費者や生産者など約300人が参加しました。

はじめに農林水産省の担当者が「遺伝子組み換え農作物をとりまく現状」と題して、利用の現状や安全性確保の仕組み、研究開発の方向性などを説明した後、明治大学理工学部教授の北野大氏をコーディネーターとして、生産・消費・研究などさまざまな立場の専門家によるパネルディスカッションが行われました。
(独)農業生物資源研究所遺伝子組み換え推進室長の田部井豊氏は、遺伝子組み換え技術の基本知識について解説し「遺伝子組み換え技術とは、品種改良の可能性を広げ、きめ細かな改良を可能にする品種改良の方法のひとつである」と述べました。

サンファーム・オオヤマ有限会社代表取締役の大山寛氏は、遺伝子組み換え作物を栽培することについて、「減農薬や省力化、品質向上、機能性向上につながるなど生産者としては期待感を持っている」と、生産者の立場から意見を述べました。実際に栽培していくために、「消費者に受け入れられることが重要である」と理解を求めました。農事組合法人りぞねっと代表理事の齋藤隆幸氏は「遺伝子組み換え作物も含めて生産者は消費者の望むものを栽培し供給する責任がある」との考えを述べました。

消費者側からは、主婦連合会環境部長の有田芳子氏が「消費者は組み換え技術について理解することはできるが、受容するためには不安感を取り除く必要がある」と指摘し、消費科学連合会副会長の犬伏由利子氏は「消費者の不安感を取り除くためには細やかな情報提供が必要」との考えを示しました。

最後に、北野氏は日本の市場で遺伝子組み換え作物が広く流通するために、消費者理解を得る取り組みの必要性を改めて確認するとともに、「遺伝子組み換え作物といっても様々な目的や作物があるので、各々についてきめ細かく議論していく機会も大切ではないか」と消費者へ情報提供のあり方やコミュニケーションの重要性を語り、会を締めくくりました。

Pagetop