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林野庁 今後の研究開発は環境保全や森林資源に重点
林野庁では、学識経験者からなる検討会の意見を踏まえ、「森林・林業分野における遺伝子組み換え技術に関する研究開発の今後の展開方向について」を策定しました。
樹木の開発に遺伝子組み換え技術を活用すれば、二酸化炭素の吸収能力を高めて地球温暖化を防止したり、森林資源を充実させたり、花粉の発生を抑制したりして、環境・資源問題の解決に大きく貢献すると期待されています。そのため現在、国内外で遺伝子組み換え樹木の活発な研究が展開されていて、実用化には至っていないものの、日本では塩害耐性のユーカリや、エネルギーの原料となるセルロースを多く含むポプラなどが隔離圃場における試験栽培の段階にあります。
林野庁では、これらの研究開発の成果が環境保全や森林資源の拡充等に活用されるためには、将来の展開方向を見据えて、産学官の関係機関が連携協力して体系的に取り組むことが重要であるとして、学識経験者の意見をもとに、研究開発の今後の展開方向をこのたび定めました。
効率的に研究開発を推進するために、研究テーマの優先順位を設け、(1)地球温暖化軽減、(2)木質バイオマス生産性向上技術の開発、(3)病虫害に対する抵抗性付与技術の開発、(4)育種年限の短縮の順に重点的に取り組むこととしています。樹木の遺伝子組み換え技術は、ゲノムサイズが他の生物に比べて著しく膨大であること、国内で遺伝子組み換え技術に携わる研究者や専用試験施設が少ないことなどが課題とされています。
今後は早期の実用化を目指して、地球温暖化を軽減するための二酸化炭素固定能が高い樹木や環境ストレス耐性樹木の開発、木質バイオマスを効率的にエネルギー化するためのバイオマス生産性を向上させた高セルロースや低リグニンという特性を付与した樹木の開発、花粉を着けない樹木の開発、病害虫に対する抵抗性が高い樹木の開発などが優先的にすすめられます。
林野庁ホームページ
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/070831.html