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産総研北海道センター 遺伝子組み換え植物を用いて医薬製剤原料を製造するための研究に本格的に着手

独立行政法人産業技術総合研究所北海道センターは、遺伝子組み換え植物を利用して、医薬品の原料などを生産するシステムを開発するために、完全密閉型の植物工場をほぼ完成させました。2月から感染症や下痢予防などに効果がある有用物質を作り出すイチゴ、イネ、ジャガイモなどを実際に栽培して本格的な研究に着手する予定です。
ウイルスの増殖を阻止する働きがあり、医薬製剤原料として使用されているインターフェロンと呼ばれる蛋白質は現在、微生物や動物細胞を用いて生産されています。インターフェロンをつくる遺伝子を植物に組み込めば、植物を用いてこのタンパク質を生産することができ、「微生物を培養するタンクを必要としない」「保存・輸送が簡便」などのメリットがあげられ、結果として従来の方法に比べて大幅なコストの低下が期待できます。
この工場では組み換え遺伝子が周囲の環境に拡散しない完全密閉の環境で、温度や二酸化炭素濃度などを空調で自動制御し、晴天の真昼の太陽光に近い照度で栽培することができます。密閉の環境での植物栽培から医薬品原料の抽出・精製までを一貫して行うことができる世界初の施設として、この分野の研究の進展への貢献が注目されています。

独立行政法人産業技術総合研究所北海道センターホームページ
http://www.aist.go.jp/aist_j/event/ev2007/ev20070110/old_ev20070110.html

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