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理化学研究所世界で初めてカビ毒を解毒する遺伝子組み換えトウモロコシを作出

独立行政法人理化学研究所の木村真氏らの研究チームは、遺伝子組み換え技術を用いてカビ毒に汚染されにくいトウモロコシの開発に世界で初めて成功しました。開発が進めば、有害なカビ毒から家畜を守ることができる飼料用の穀物として実用化が期待されます。
トウモロコシなどの穀類に感染するアカカビ(Fusarium graminearum)が作るゼアラレノンというカビ毒は、家畜に死産や流産などを引き起こすこともあり、特に米国やドイツ、オーストラリアなどで大きな被害をもたらしていますが、このアカカビは防除が難しく対策が困難であるために世界的に大きな問題となっています。
研究チームは、別のカビから取り出したゼアラレノン解毒酵素をつくる遺伝子znd101をトウモロコシに組み込み、このトウモロコシ種子を高濃度(自然の500倍以上)のゼアラレノンで人工的に汚染させたところ、カビ毒の蓄積量が非組み換えトウモロコシより飛躍的に低減しました。さらに、収穫後のトウモロコシ種子に実際にアカカビを感染させてゼアラレノン量を測定したところ、非組み換えトウモロコシではカビ毒が検出されましたが、遺伝子組み換えトウモロコシからはカビ毒が全く検出されませんでした。
この成果は、米国の科学雑誌Applied and Environmental Microbiologyの3月号に掲載される予定です。

独立行政法人理化学研究所ホームページ
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/070110/index.html

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