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農林水産省 遺伝子組み換え技術などを市民と考える会議を全国8ヶ所で開催

農林水産省による国民との双方向コミュニケーションの一環として、遺伝子組み換え技術などのバイオテクノロジーについて市民とともに考える「地域コミュニケーション会議」が10月24日に東京都内で開催されました。
会議には一般公募で集まった主婦や生協関係者、食品メーカー、大豆などの穀物流通業者、生産者など様々な立場の市民15名が参加し、遺伝子組み換え技術などの利用に対する各々の考えや質問を出し合いました。議論のなかで生じた疑問などに対しては、助言者として出席した研究と行政の担当官が一つひとつ解説し、ファシリテーターが進行をサポートする形式で会議が進められました。
意見交換では、将来の食糧問題などを踏まえて新しい技術をどのように活用していくべきか、そのために必要な取り組みの提案など、前向きで冷静な発言が多く聞かれました。参加した主婦の一人からは「現状の食生活をつづけられるわけがなく、農業政策の転換が必要である。その際には遺伝子組み換え技術も必要と考えているが、それをはっきりさせたい、答えを聞きたいと思って今日は参加した」との意見が出され、別の参加者からは「食糧問題の解決に貢献すると期待されているが、そのような品種が商品化されていないのはどうしてか」との問いが出されました。それに対して研究者からは「環境ストレス耐性の品種の開発には時間がかかるため、遅れてはいるが、現在取り組みが進められている」と現状が説明されました。
最終的にファシリテーターが、「このような機会を通じて市民と研究者、行政などがお互いに情報を共有し、理解を深めていくことが今後は必要な取り組みである」と参加者全体の意見をまとめ、会を締めくくりました。
この日の会議には約60名近くの人が傍聴に訪れ、議論に熱心に耳を傾けました。農林水産省の委託を受けて会議を主催する社団法人農林水産先端技術産業振興センターは、今回の東京を皮切りに、札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、岡山、福岡の全国8ヶ所において同様の会議を開催し、地域におけるバイオテクノロジーに対する関心を高めるとともに、消費者理解を高めるための今後の活動の参考にしたいとしています。

社団法人農林水産先端技術産業振興センター
「バイテクコミュニケーションハウス」
http://www.biotech-house.jp/event/

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