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セミナー:2016年世界の遺伝子組み換え作物の商業栽培に関する最新状況
バイテク情報普及会は、2017年5月30日、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)シニアプログラムオフィサーのロードラ・ロメロ・アルデミタ博士とISAAA日本代表を担う日本バイオテクノロジー情報センターの冨田房男氏の2人を講師に迎え、「2016年世界のバイテク/GM作物の商業栽培に関する最新状況」と題するセミナーを開催しました。
アルデミタ博士による講演「世界のバイテク/GM作物の商業栽培に関する状況:2016年」では、2016年は世界26ヵ国でバイテク作物が栽培され、その栽培面積は2015年から3%増加し、新たな記録となる1億8,510万ヘクタールにまで達したことが報告されました。バイテク作物の貢献として、生産性や収入の向上、生物多様性の保全、農薬やCO2の削減による環境保全などを挙げ、2016年にはアジアを中心とした小規模農業生産者とその家族6,500万人以上に利益をもたらし貧困の緩和に大きく役立っていると指摘しました。
また、近年では消費者にとってメリットのあるバイテク作物の開発や商業化が進んでおり、その例として、切り口が変色しないリンゴ、高アントシアニンのパイナップル、アクリルアミドの生成を抑制するジャガイモなどが紹介されました。
将来展望では、バイテクトウモロコシ、ワタ、ジャガイモなどの作物はアジア・アフリカなどでさらに拡大し、新規のバイテク作物も次々に商品化されていく見通しが明らかにされました。
次に、日本バイオテクノロジー情報センターの代表で、ISAAAの日本代表でもある冨田房男氏が「遺伝子組み換え(バイテク)作物をめぐる我が国の動向」と題した講演を行い、平成29年3月に発表された日本農学アカデミーによる遺伝子組み換え作物実証栽培に関する提言や、同年北海道で設立されたテンサイ栽培研究会の活動が紹介されました。冨田氏は、わが国では政府が安全性を認めたバイテク作物に食品の多くを頼っていながら、バイテク作物に対する理解の乏しさ、不信感が払しょくできないため、農業生産者の希求するバイテク・テンサイの実証試験が実施できない現状を憂え、「農業生産者の植える作物を選ぶ権利を尊重し、また様々な農業方式の共存を認めるべきである」との言葉を以って講演を終えました。
また、セミナーの初めにはバイテク情報普及会事務局長の今井康史が「バイテク情報普及会の広報活動紹介」の発表を行い、2016年に実施した各種セミナーや教育支援活動、また、2017年の活動プランなどを紹介しました。
ISAAAホームページ
Brief 52: Global Status of Commercialized Biotech/GM Crops: 2016(英語)http://www.isaaa.org/resources/publications/briefs/52/default.asp
講師略歴(PDF)http://www.cbijapan.com/dl/report/20170626/170530_CBIJSeminar_speker_bio.pdf
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)
ロードラ・ロメロ・アルデミタ博士
「2016年世界のバイテク作物バイテク作物の商業栽培に関する最新状況」
講演資料 ※抜粋版 (日本語・PDF)http://www.cbijapan.com/dl/report/20170626/170530_CBIJSeminar_Dr_Aldemita_slids_excerpt.pdf
ISAAA日本代表/日本バイオテクノロジー情報センター代表
冨田 房男氏
「バイテク作物をめぐる我が国の動向」
講演資料 (PDF)http://www.cbijapan.com/dl/report/20170626/170530_CBIJSeminar_mr_Tomita_slids.pdf
バイテク情報普及会
「バイテク情報普及会の広報活動紹介」
発表資料 (PDF)http://www.cbijapan.com/dl/report/20170626/170530_CBIJSeminar_CBIJPR_slids.pdf
<参考ページ>
ISAAA(国際アグリバイオ事業団)プレスリリース「バイテク作物の商業栽培に関する年次報告:2016年」のご紹介(2017年5月8日)
https://cbijapan.com/news/1127/