GMO Answers
質問
遺伝子組み換えする必要がないと思われる食品にはどんなものがありますか?ミントの葉を栽培したことがあるならお分かりかと思いますが、これは雑草のように育つので(遺伝子組み換えは)必要ないですよね!
回答
興味深い質問です。二つの解釈をあげましょう。
いくつかの作物は、伝統的な育種を通して、十分に遺伝的な改良がなされてきています。そのような作物にはGMO(遺伝子組み換え)の手助けは必要ありません。GMO手法は、欠けている(かつ重要な)形質を補うために、遺伝子を一つか二つ導入するだけなのです。基盤がしっかりしていれば特別な手助けは必要ありません。これは重要な点です、何故ならば、(遺伝子組み換え作物の)試験や承認を得るプロセスは、長い時間と高額な費用がかかるからです。
従って、ほとんどの植物には、純粋に経済的理由から、GMO技術が使われることはありません。厳格な規制、高額な研究開発費、試験や商業化に要する膨大な費用、これらの要因により、大多数の植物製品が遺伝子組み換え(GMO)には適さないと判断されています。
付加される形質が、農家に著しい節約をもたらす、あるいは消費者にとって大きなメリットがある、というようなものでなければ(遺伝子組み換えの)研究を行うに値しないのです。研究開発や承認を得るための費用を回収するには長い年月を要します。GMOミントをつくるとしても、企業がその開発資金を回収するには、100年もかかってしまうでしょう。
世界中の大学の研究室には種子の保管施設があり、様々なGMO植物の種子であふれています。このような植物の種子には、厳しい環境でも生存できるもの、より高い栄養価をもたらすもの、より味が良く高い収量が得られるもの、あるいはより少ない水や肥料で育つものなど、様々なものがあります。これらはすべて心躍る画期的な発明です。しかしながら、これらを市場に送り出すことは不可能に近いため、商品として利用されることはありません。
要するに、現時点では、GMO技術を活用して商品化できる植物はごく僅かに過ぎず、伝統的な育種では作ることができない形質によって、大きなベネフィットがもたらされるような植物、そして経済的な見返りがきわめて大きく、付加される形質が長期間に渡って有効である可能性が高いような植物に限られています。
回答者 ケビン・フォルタ回答者
ケビン・フォルタ
Kevin Folta
フロリダ大学、園芸学科、教授兼学科長