GMO Answers
質問
GMOが食べても大丈夫で健康に良いものだとすれば、なぜ米国は世界で最も肥満の多い国の一つに挙げられていのでしょうか?本当に健康によいものが米国で作られているのなら、そのようなことにはならないと思いませんか?
回答
米国に太りすぎや肥満が多いのには様々な原因があります。しかし、米国農務省経済研究局(USDA Economic Research Service)の情報からは、ある実態が見えてきます。
「米国人が一人当たり1日に摂取するカロリーは、1970年には2,109カロリーと推定されていましたが、2010年には、2,568カロリーに増加しています(食べ残しや腐敗、その他の食品ロスを差し引いて)。この増加分459カロリーの内訳は、穀物(主に精製された穀物)が180カロリー、添加脂肪や油が225カロリー、砂糖や甘味料が21カロリー、乳脂肪が19カロリー、果物や野菜が12カロリー、肉や卵、ナッツ類が16カロリーです。」
一日当たり約500カロリーの摂取量の増加は、1週間でおよそ453グラムの体重増加につながるパターンです。これに加え、より精製度の高い食品(スナック菓子、砂糖、加糖飲料)を大量に食べることが、食物繊維の摂取量の低下や満腹感の持続時間の低下につながり、その結果として、人々はより頻繁に食べ物を口にするようになっているのです。
更に、米国疾病管理予防センター(CDC)は、身体活動の推奨量を満たしている成人の割合は全体の半分以下(48%)であり、1日に1時間以上の運動をしている高校生は10人中僅か3人であると報告しています。身体活動についての更に詳しい情報はこちらをご覧ください。
http://www.cdc.gov/physicalactivity/data/facts.html
つまり、私たちは(昔に比べ)、もっと食べるようになり、逆に運動はしなくなっているのです。このような生活では、適切な体重の維持はできません。太りすぎや肥満を一つのもの(加糖飲料やファストフード、あるいはGMO)のせいにする考え方は、健康に良くない私たちの生活パターンという遥かに大きな問題を解決する上で、妨げになります。精製度の高い穀物や添加脂肪、油、糖分をより多く口にする一方で、運動はしないという生活パターンが、私たち米国民全体の体重増加を運命づけているのです。
私たちは、米国政府の食生活指針に留意する必要があります。そこには、より良い食品の選び方や適切な摂取量が概説されていますし、健康を維持するためにはどのような種類の運動が必要であるかも示されています。
回答者 コニー・ディークマン回答者
コニー・ディークマン
Connie Diekman
教育学修士、登録栄養士、米国栄養士会フェロー