果物や野菜の遺伝子を改変して、「肉」を作るべきだ｜バイテク情報普及会

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GMO Answers

質問

質問者 dlodyakov (キルギス共和国、ビシュケク)　

果物や野菜の遺伝子を改変して、「肉」を作るべきだと思うのですが、どうでしょうか。つまり、果物や野菜の遺伝子を改変して、動物性たんぱく質を、それらの植物に作らせるのです。そうすれば、庭で野菜や果物を育てることで、安価に動物性たんぱく質を摂ることが可能でしょう。また、動物を殺す必要もなくなります。ご意見をお聞かせください。これは実現可能でしょうか？

回答

残念ながら、ご提案いただいたようなことは、現代の科学技術では実現出来ません。動物の筋肉を「再生」するためには、多くの遺伝子を導入する必要があり、植物に作らせることは出来ないのです。それには数々の理由があるのですが、非常に複雑で、消費者のみなさんにご理解いただけるような分かりやすい言葉で説明することは困難です。筋肉を作るための全ての遺伝子を導入するには、野菜や果物のゲノムにそれらの遺伝子を導入するだけではなく、遺伝子の発現や、筋肉の「成長」に伴う遺伝子の変化を調整する機能も保持させなくてはならないのです。それには、筋肉固有の様々なたんぱく質を作る遺伝子のみならず、筋束を構成する筋原線維（筋細胞）を作る遺伝子も関係してきます。この他にも、筋原線維を構成する全ての要素や筋肉内に存在する結合組織、そして脂肪組織（脂肪あるいは脂肪交雑（いわゆる霜降り））の遺伝情報をコードする、膨大な数の遺伝子が必要となるのです。

私には、このプロジェクトに取り組もうとする人が現れるとは思えません。上記の課題の全てがクリアされなければなりませんし、しかも、果物や野菜の成長や発育を妨げることのない方法で実現せねばならないのですから（現代の科学技術では不可能です）。