GMO Answers

質問

質問者 Steve (カリフォルニア州、カリストガ)

農作物が遺伝子操作で改変できるのであれば、気候工学においても同様なことができるのではないでしょうか?気候と食糧生産にはどのような繋がりがあるのですか?

回答

あなたの質問は、植物改良の研究において現在盛んに取り組まれている研究分野と係りがあります。あなたが示唆されたように、気候変動は、植物の成長や生産性に新たな制約を加えています。それゆえ、現在、世界中のいくつもの公共機関や民間企業が、多種多様な遺伝子資源を選抜している、あるいはバイオテクノロジーを利用して、気候変動がもたらす様々な環境への悪影響を少しでも軽減できるよう、遺伝的変異種の開発に取り組んでいるのです。

例えば、私が所属するグループでは、トウモロコシの生化学的過程のなかで、高温環境で律速となるような過程を同定する研究を行っています。そのような過程が同定されれば、次に、それらの過程に影響を及ぼす遺伝子をクローニングし、生化学的過程が気温の影響を受けにくくなるように、その遺伝子を改変します。現在、私たちは、高温環境でも穀物(トウモロコシ、小麦、米)の収量を増やすことのできる導入遺伝子を幾つか発見しており、これらは63%もの収量増加を記録しています。残念なことに、現在インターネット上に拡散している反GMのあらゆる偽情報が、複雑な規制(承認)プロセスに掛かる高額な費用と相俟って、これらの遺伝子の商業利用を阻んでいます。しかしながら、私は、気候変動に直面する中、農地の面積を拡大することなく、増え続ける世界人口に食糧を供給できるよう、これらの遺伝子が活用される日が来ることを希望し続けます。

回答者 L.カーティス・ハナ博士

回答者

L.カーティス・ハナ博士

Dr. L. Curtis Hannah

フロリダ大学 教授

Pagetop