GMO Answers

質問

質問者 ConcernedCitizen11 (ペンシルベニア州、フィラデルフィア)

農家によっては、耕作や農業を、伝統として営んでいると思います。収穫量を上げ、利益を得るために大量の農薬や除草剤を散布する今の栽培方法をみたら、GM農家の先祖はどう感じると思いますか?

回答

私の子供たちがまだ幼かった頃、水ぼうそうに罹って苦しむのをみて、私はどうすることも出来ませんでした。 私の両親も、私が子供の頃、ひどいはしかに罹ったのをみて、命を落とすのではないかと思ったそうです。なぜこのような話をするかと言いますと、医学の進歩は、健康の問題を著しく減少させてきたからです。現在では、予防接種をすれば、子供たちはこのような病気に罹らなくてすみます。同じことが、バイオテクノロジーや、それが何世代にもわたって農業にもたらした驚異的な進歩についても言えるのです。農薬や除草剤は、常に、できるだけ品質の高い、健康に良い作物をつくるために、使われてきました。科学は新しい道を切り開きます。

私たちの先祖は、このように将来を見据えている私たちの姿を誇りに思うことでしょう。私たちは100年以上にわたり、自分たちの手で土地を開拓し維持してきました。様々なイノベーションが、米国の食品や繊維産業の発展を手助けするために導入されてきました。このようなイノベーションを積極的に受け入れることは、私たちみんなにとって重要です。もし私の先祖が、今現在ここにいたとしたら、農機具の効率向上をもたらした技術の進歩や、農地をより良く管理しながら収穫量を増加させている私たちの能力を見て、きっと感銘を受けることでしょう。

1940年代から50年代に、主人の祖父が、私たち家族の土地で農業を営んでいた頃、収穫された穀物は、現在の基準からすれば、「オーガニック」に相当するものだったでしょう。彼の農地は500エーカーもありませんでした。雑草は、手で抜くか、トラクターで土を起こして減らしていました。これは重労働で、時間のかかる作業でした。害虫は駆除することが難しく、何エーカーもの作物が駄目になってしまうこともありました。また、天候によっては、収穫が出来ないこともありました。

年月が過ぎ、義理の父が、祖父から農場を受け継いだ頃、多くの小規模農地が近隣の農家に売られていました。農業で生計を立てることは大変な労力を要したため、多くの農家はつぶれ、多くの農家の子供たちは町で就職することを決め、農場を去りました。

その後の20~30年間、農地は売り飛ばされ、残った農家がその土地を買い、規模(そして借金)を拡大していきました。人々が田舎を離れ都市に移ると同時に、都会の人たちの食糧が必要となりました。このため、作物生産の分野で技術の発展が求められました。1960年代には、雑草や害虫、植物の病気をより効果的に低減するため、化学薬品の散布が行われるようになりました。初期に登場した化学薬品には、長期にわたり残効を示すものがあり、完全に消えないものもありました。一方、今日の除草剤は、30日間で完全に分解されます。以前は、何ポンドもの量の農薬や除草剤が使われていましたが、現在、私たちの農場では、1エーカーあたり、ほんの数オンス程度を使っているだけです(1ポンドは約450グラム、1オンスは約28グラム)。除草剤の散布は一度だけです。植物が十分な背丈に育つと、雑草は植物の陰になり、繁茂できなくなります。

米国の農家数は、この20~30年減少しつつあり、農家の平均年齢は上がりました(58歳)。4世代から5世代目が経営する農場では、彼らの先祖の時代以降、生計を立てるために、規模を3倍くらいに拡大しなければなりませんでした。このため、作物の生産には、より優れた効率的な方法が必要なのです。生物学者や農学者の方々とも協働しながら、私たちは、自分たちの作物が安全で健全に育つように努力しています。バイテク分野での徹底した研究や化学薬品散布における著しい進歩により、農家が使う農薬や除草剤の量は、過去に比べ減っています。

生活は進化し、時代は変化します。私たちは、生き残るために適用しなければなりません。インターネットやエアコンや化学療法のない世界なんて想像がつきますか?農業は必要です。増大する世界の人口は、農業に頼っているのです。米国で栽培される作物は、豊富で栄養価も高いのです。食品に検出される農薬の残留量は(オーガニックであれ、非オーガニックであれ)、極めてわずかで、健康問題は米国では認められていません。食製品は、適切に取り扱い/洗えば、安全で健康的です。

利益に関して言えば、私の家族は、売れる作物があれば土地代を支払うことができます。私たちは、食べることには困っていませんし、請求書の支払いをすることができます。ただ、農地や機械の購入・維持に費用がかかりますので、恐らく一生、借金の問題は抱えることになると思います。農家を続けていますが、決して金儲けのためではありませんでしたし、農家は、そのような道を選択した人たちにとっては、なによりも、暮らし、人生そのものだと思います。

回答者 マリー・メルツ

回答者

マリー・メルツ

Mary Mertz

農家

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