GMO Answers

質問

質問者 Michael Robin Robin

遺伝子組み換え技術には、なぜこんなにも多くの人が反対するのでしょうか? 遺伝子組み換え技術は、現在も将来的にも、無害であり大きなベネフィットをもたらすという明確で説得力のある科学的証拠があるにもかかわらず。遺伝子組み換え技術を支持する私たちは、どのように主張するのが効果的なのでしょうか?

回答

私は農家ですが、「私たち農家はどのように作物を育てているのか」と心配する声を耳にする機会がありました。「あなたは有機栽培農家なのか」、「どこであなたの栽培した農産物を買うことができるのか」というような質問も何度か受けたことがあります。大多数の消費者にとって、農家と接する機会は、ファーマーズ・マーケット(農家の直売市場)でしかないようです。 消費者が市場で農家に接することで、農家との関係が築かれ、農産物や農家に対する信頼感が生まれます。

消費者と話をするなかで、遺伝子組み換え作物に話題を転じると、多くの場合、否定的な反応が返ってきます。遺伝子組み換え作物は、大企業や大規模農家が金儲けをするためのものと思われています。遺伝子組み換え種子がもたらす多くのベネフィットについて、科学や事実、数字を使って説明しても、なかなか理解してもらえません。何故なら、そのような種子を開発し、利用している人々に信頼感が無いため、遺伝子組み換え研究そのものも信用されないのです。

このような一般農家と消費者との間の断絶は一夜にして生まれたわけではありません、むしろ、一つの運動の中で拡大していったのです。ひとたび人々が運動に参加すれば、参加した人々は、その運動のメッセージを推進し擁護する責任を担うようになります。私たちが、従来の食料生産への信頼を育むための方法を探っている間に、小規模農家や有機食品は尊敬に値する一つの運動となって行ったのです。

遺伝子組み換え食品に対する消費者の信頼を高めるための取り組みとして、私たちは教育や透明性に焦点をあてることが大切だと考えています。 遺伝子組み換え食品の安全性に疑問を投げかける手段としては、恐怖心が常に利用されていますので、信頼の向上を図るためには、そのような 恐怖心を和らげる創造的な方法を考えることが重要です。

ウェブサイトは、教育にとって重要なツールですが、あまりパーソナルではなく、個々に訴えかける力はありません。パーソナルな話は、その発想が人々に共感を与えるとき、最も人々の心に響きます。1980年代に農家が危機に直面したとき、多くの人々が農家に共感したのは、様々な報道を通じ、農家の家族の顔が見えたからでした。従来の農業を支援するために運動を起こすのであれば、農業の顔を見せることが重要です。

恐怖心と不信感から対話への流れを生み出すには、両方の当事者が、相手の話を聞く姿勢を持たなければなりません。消費者の遺伝子組み換え作物に関する不安に耳を傾ける時、私たちが受け身の姿勢ではなく、同情心をもって接した方が効果があります。食料が豊富にある限り、私たちには、何故、作物の収量を増やす必要があるのかについて、多くの批判が寄せられるでしょう。しかしながら、遺伝子組み換え作物の利用によって、栽培に必要な農地や水の使用、化学物質の流出が減っていることは事実ですし、私たちは、遺伝子組み換え作物の栽培が、環境にとって今すぐ実施すべき適切な方法であることを、訴えていけるのではないでしょうか。 将来の遺伝子組み換え作物の発展には、私たちがどのようにメッセージを共有し、ストーリーを語ることができるかが鍵を握っています。

回答者 ジョアン・ラスカンプ

回答者

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ジョアン・ラスカンプ

Joan Ruskamp

ネブラスカ州農家

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