GMO Answers

質問

質問者 wv engineer (ウェストバージニア州、セント・アルバンズ)

食物アレルギーの増加とGM食品を関連付けることは妥当でしょうか?関連性がないとしたら、この傾向は何によるものでしょうか?例えばトウモロコシやダイズのアレルギーは、GMであろうとなかろうと、純粋に食品に含まれるトウモロコシやダイズ及びそれらの派生物の量によって、引き起こされるものですか?

回答

手短に言えば、食物アレルギーの増加とGM食品を関連付けることは妥当ではないと私は考えます。 アレルギー食品研究教育センターによると、米国の食物アレルギーの90%は8つの食品から生じます:ピーナッツ、木の実、牛乳、卵、小麦、ダイズ、甲殻類と魚です。それら8つの食品のうち、唯一ダイズにだけ遺伝子組み換えされた品種があります。他の食品にはありません。非GMダイズは、私も育てていますが、同様にアレルギーを引き起こします。つまり、実際には、ダイズアレルギーの人は、GMダイズを避けなければならないのと同じくらい、非GMやオーガニックダイズも避けなければなりません。

メディアで流布されていることに反して、GM作物から作られた食品は、「新たな」アレルギータンパク質を一切生み出しません。使用されるタンパク質は、それらの作物が商品化される前に、十分に考証され研究されます。 これらのタンパク質が特定の作物に挿入され、試験圃場での栽培に移される前に、つまり商業用に承認され、あるいは種子が生産され農家での栽培が許可される遥か以前の段階で、研究者は詳細な分析を行っています。

まず、検査では、遺伝子組み換え目的のタンパク質を、その他のあらゆるアレルギー誘発性タンパク質と比較して、アレルギー反応を引き起こすような類似性があるか否かを調べます。科学者たちは、潜在的なGMタンパク質の遺伝子配列を、他のアレルギー誘発性タンパク質の遺伝子配列と比較します。もし類似点が見つかれば、そのタンパク質は、いかなる食品にも導入されません。次に、そのタンパク質が消化過程で分解せずに残ってしまう可能性があるかどうかを調べるために、確認試験が行われます。食べものを口にすると、私たちの消化管は塩酸を分泌し、食物に含まれるタンパク質は胃で分解されます。消化酵素であるペプシンが、すべてのタンパク質を細かく分解するのです。酸性の胃液で消化されなかったタンパク質は、小腸へと移動し、細かく分解されたタンパク質は、別の酵素で更に分解され、腸細胞からアミノ酸として吸収されます。 この消化過程は実験室で再現され、潜在的なGMタンパク質が、消化の過程でどのように変化するかが、調べられます。

別の次元でのGM試験も行われています。これは、既知の食品アレルギーを持つ人から血清を採取し、その血清がタンパク質に対してアレルギー反応を示すかどうかを調べるための試験です。これらの研究や分析においては意思決定の段階があり、望ましくない反応が認められれば、GMへの採用が検討されていたタンパク質は事実上、使用が見送られます。

この科学的な試験プロセスは、何年か前に、研究者たちがブラジルナッツのタンパク質をダイズに導入した際に、有効に機能することが実証されました。すなわち、このアレルギー検出の応答方法によって、実際にタンパク質の配列にアレルギー性があると判断され、研究は打ち切りとなったのです。

同じく2000年のいわゆる「タコゲート事件」では、飼料用として承認されていたものの、食用としては未承認であったGMトウモロコシのスターリンクが、食品の中に検出されました。28人が、スターリンク・トウモロコシが含まれていた可能性のある食品を食べた結果、アレルギー反応が出たとの報告をしています。CDCが調査を行い、これら一人一人の血清を検査しましたが、誰一人からもアレルギー反応は出ませんでした。このトウモロコシは、承認されていた動物用の飼料として、その供給ルート上できちんと分別管理がなされているべきでしたが、他方、バチルス・チューリンゲンシス由来のタンパク質が、何らかのアレルギー反応を引き起こしたという科学的証拠はありませんでした。

ちなみに、「伝統的な」育種、あるいは突然変異育種(化学処理や放射線の照射で遺伝子変化を起こす方法で、オーガニックや従来型植物の育種家が利用している)で交配されたタンパク質は、既知のアレルゲンに対する検査や比較は行われていません。よってあなたの質問に仮に答えるとすれば、伝統的育種あるいは突然変異育種では、より多くのDNA交雑するため、それらのタンパク質がアレルギー反応を引き起こす可能性は、より高いはずです。しかしながら、そのようなことが起こることもまた、考えにくいです。なぜなら、研究者や植物育種家という職業にとって死活問題になりますし、人が食べる食品の生産にかかわる様々なビジネスが、植物育種のレベルで食品の安全性を保証するための適正評価を怠ったという理由で、消えて無くなってしまう恐れがあるからです。

さらに、次世代のGM食品は、従来の食品や有機食品に比べ、アレルギー性がさらに低くなる可能性が十分にあります。技術が進歩したことにより、現存のアレルギー性タンパク質を、言ってみれば「消す」ことができるようになり、食物アレルギーのある人に影響を与えない(アレルギー反応を起こさせない)ようにすることができます。この研究はジョージア大学で行われており、二種類のピーナツ品種が、実際にピーナッツアレルギーのある人にアレルギー反応を起こさなかった、という報告が出されています。バイオテクノロジーは、私たちが食べる様々な食品を改善する上で、役に立つツールです。ただし、研究者たちが激しい反対に晒されたり、ビタミンA欠乏症に苦しむ途上国の多くの子供たちへの福音となるべきゴールデンライスがそうであったように、承認プロセスで棚上げ状態にされたりしなければの話です。

食物アレルギーの潜在的な原因については、様々なことが考えられます。潜在的な影響要因の一つとして研究されているものに、幼児期前半の食事ではアレルギーを誘発させる食品を避け、幼児期の後半になってそれらの食品を食事に取りいれてゆく、という標準的治療方法があります。研究者たちは、食物アレルゲンを食事に取りいれるのを遅らせれば遅らせるほど、アレルギー反応を誘発させる可能性があり、アレルギーへのリスクが高まる、と指摘しています。反対に、「アレルギーと臨床免疫学ジャーナル」に発表された研究では、早期にピーナッツを食事に取りいれることにより、ピーナッツアレルギーが減る、と報告されています。母親たちは小児科医の言うことに耳を傾けますので、アレルギー性食品の食事への取り入れを遅らせることが、標準的な方法として受け入れられているようです。食物アレルギーが増加していることを考えれば、この分野における研究が益々必要になっています。

GM食品のアレルギー性試験について言えば、遺伝子組み換え食品のアレルギー反応が、非遺伝子組み換え食品と比較して、なんら差がないことを示す研究報告は、数多くあります。2010年に発行された「EUが資金提供した10年間のGMO研究」で、研究者たちは、科学文献の大規模な再調査を行い、GM食品のDNAは既存の食品に存在するDNAとなんら変わりはなく、その他のいかなる種類のDNAを摂取する場合に比べてもリスクが高まることは無い、と結論しています。

様々な要因がある一方で、大事なことは、道具箱の中にあるいくつかの道具(技術)の一つとして、私たちは遺伝子組み換え技術の研究を助成し支援することで、様々なヒトの健康課題や環境の持続可能性により大きな恩恵がもたらされるようにし、増え続ける人口に食料を供給できるようにすることです。バイオテクノロジーを「特効薬」とみる人は、バイオテクノロジーが何の解決策にもならないと証明したがる人々を除いては、誰もいません。でも、そんな日(バイオテクノロジーが何の解決策にもならないと証明されるような日)が来るとすれば、人類にとっては悲しい日となるでしょう。

回答者 ジェニファー・シュミット

回答者

ジェニファー・シュミット

Jennifer Schmidt

メリーランド州の農家で登録栄養士

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