GMO Answers

質問

質問者 J D Moniz (ハワイ州、パアウイロ) 

GMO(遺伝子組み換え作物)とそうでない作物の生産コストの違いはどれくらいですか?

回答

ウィル・ロジャース氏は、「農家は楽観的でなければならない、そうでなければ農家は続けられない」と言ったことで評判を呼びました。私たちは、“楽観的に”、毎年冬になると、その年に栽培した作物の収穫量と生産コストを品種ごとに調べるとともに、その年の栽培シーズンがどのようなものであったかを振り返り、翌年の栽培用にどの種子を購入したらよいかを判断しています。

1998年以来、私たちはGMと非GM双方のトウモロコシやダイズを栽培してきました(実際には、私たちは「GM」や「GMO」という言葉を使っていません。なぜなら、栽培用の作物はすべて遺伝子改変されているからです。ここでは読者の方々が分り易いように、これらの略語を使っています)。私たちは、毎年、すべての品種とすべての作物について、データをとっています。いかなるビジネスであれ、そのビジネスを成功に導く唯一の方法は、データを収集することだからです。上手くいったもの、上手くいかなかったもののデータを収集し、それを基に修正や改善を行っています。これは、多くのビジネスが行っている「継続的品質改善活動」と同じです。


2014
年のトウモロコシ生産(灌漑なし)
費用/1エーカー(約0.4ha)
非BTトウモロコシ
BTトウモロコシ
種子
$65
$114
肥料
$123
$123
除草剤
$40
$21
作物(収穫)保険
$40
$40
肥料施用
$7.50
$7.50
播種
$28
$28
窒素施用(追肥)
$9.50
$9.50
農薬散布
$9.00
$9.00
収穫作業
$28.00
$28.00
運搬
$25.00
$25.00
収穫後の乾燥
$60
$60
地代
$150
$150
投入費用の総額
$585/エーカー
$615/エーカー
1エーカー当たりの収量
(ブッシェル=約35リットル)
186ブッシェル
221ブッシェル
1ブッシェル当たりの現金売価
(メリーランド州、ソールズベリー)
$4.01
$4.01
1エーカー当たりの粗収益
$745.86
$886.21
正味利益(の差)
$161
$271

2014
年のダイズ生産(灌漑なし)
費用/1エーカー(約0.4ha)
食品用非GMO
飼料用GMO
種子用GMO
種子
$41
$53
$53
$53
肥料
$21
$21
$21
$21
除草剤
$40
$18
$18
$18
作物(収穫)保険
$32
$32
$32
$32
肥料施用
$7.50
$7.50
$7.50
$7.50
播種
$20
$20
$20
$20
農薬散布
$18
$18
$18
$18
収穫作業
$28
$28
$28
$28
運搬
$9
$9
$9
$9
地代
$150
$150
$150
$150
投入費用の総額
$366.50
$356.50
$356.50
$356.50
1エーカー当たりの収量
(ブッシェル=約35リットル)
35ブッシェル
50ブッシェル
50ブッシェル
55ブッシェル
1ブッシェル当たりの売価
$12.25
$9.60
$11.50
$11.25
1エーカー当たりの粗収益
$429
$480
$575
$619
正味利益(の差)
$62
$124
$219
$263

私たちがBtトウモロコシの栽培を始めたのは2000年でした。下の表からも分かるように、バイテク(Bt)トウモロコシの収量は、どの年も、従来型トウモロコシの収量を上回りました。しかし、最も注目すべきことは、悪条件(不順な天候)だった年の生産性です。2010年から2012年にかけて、私たちは干ばつに見舞われました。健全な作物は、不順な天候の年でも、より高い収量をもたらします。これは、家族経営の農家にとって安定した収入を得る上で、とても大きな違いとなります。

トウモロコシ(灌漑なし)
2000
2004
2010
(軽度の干ばつ)
2011
(干ばつと
ハリケーン)
2012
(干ばつ)
2013
2014
バイテク(Bt)作物の栽培面積
(エーカー)
10
276
573
397
464
290
275
平均収穫量(ブッシェル/1エーカー)
171
182
110
44
111
214
220
従来型作物の栽培面積
(エーカー)
647
415
195
213
261
75
200
平均収穫量(ブッシェル/1エーカー)
165
167
91
18
57
202
186
バイテク(Bt)作物の収量増
(ブッシェル/エーカー)
6.4
15
19
26
54
12
34
1ブッシェル当たりの売価
$2.35
$2.55
$5.18
$6.47
$7.40
$4.41
$4
正味利益の差(収量増による)
$15.04
$38.25
$98.42
$168.22
$399.60
$53
$136

 
同様に、私たちが栽培するダイズのデータを見ても、GMダイズは、非GMダイズに比べ、一貫してより高い収量をあげていることが分かります。私たちは、4つの「種類」のダイズを栽培しています:食用ダイズ、飼料用ダイズ、種子用ダイズ、そしてGMダイズである高オレイン(HO)酸ダイズです。高オレイン酸ダイズは飼料となりますが、抽出された油は調理用(焼き物や揚げ物用)としても利用され、この油から作られる硬化ダイズ油(マーガリンなど)が原材料として使われても、トランス脂肪酸は含まれません。これらのダイズは分別管理され、抽出プロセスを経て、その品種の名の通り最高品質の高オレイン酸油が作られます。

 

ダイズ(灌漑なし)
1998
2000
2005
2010
(軽度の
干ばつ)
2011
(干ばつ)
2012
(干ばつ)
2013
2014
バイテク作物の栽培面積
(エーカー)
195
322
416
270
522
527
200
300
1エーカー当たりの収穫量
(ブッシェル=約35リットル)
54.2
50.3
53.5
46
37
43
48
55
従来型作物の栽培面積
(エーカー)
156
184
213
306
750
675
175
100
1エーカー当たりの収穫量
(ブッシェル=約35リットル)
48.2
43.2
46.3
36
34
36
25
35
収量の増加
(ブッシェル=約35リットル)
6
7.1
7.2
10
3
7
23
20
1ブッシェル当たりの売価
$6.90
$6.62
$7.25
$11.30
$12.52
$14.55
$13.55
$11.25
収入の差
(1エーカー当たり)
$41.40
$47.00
$52.20
$113.00
$37.56
$101.85
$312
$225

非GM穀物を栽培すれば割増金が得られますが、収量が良いため、私たちの農場では、毎年、GM作物の収益性の方が非GMのそれよりも高い結果となっています。GM種子を利用し始めてからほぼ17年間、GMの収量は、すべての作物で非GMを上回っています。私たちは、地域内で生産物を売るために、地域の市場が求めるような作物を栽培します。種子の購入にあたっては、試してみた様々な種子の中から成功を収めたものや、私たちの地域で実施された大学の研究などを参考にして選択します。国内の他の栽培地域からのデータは、私たちの地域の環境とは異なることが多いため、あまり参考にしません。私たちは「実証」することが大事という精神で、農場内の幾つかの圃場の一部に試験的に種子を播き、比較対照しています。最終的な意思決定は、参入可能な市場の多様性、それぞれの市場内での需要、そして、どの種類の種子を毎年播くかを決めるために自ら確認した種子の生産性、などを考慮して行っています。

回答者 ジェニファー・シュミット

回答者

ジェニファー・シュミット

Jennifer Schmidt

メリーランド州の農家で登録栄養士

回答

食品の価格は様々な要因(石油の価格は輸送費に影響を与える、気温の変化は干ばつを引き起こすなど)によって左右され、GMOは、それらの価格をできるだけ低く抑える上で、重要な役割を担っています。2010年のGrahamBrookesらの研究は、GM作物が栽培されていなければ、トウモロコシを原料とする製品の価格は6%高く、ダイズを原料とした製品の価格は10%高くなっていたであろうと推測しています。

PGEconomicsLtd.の農業経済学者であるGrahamBrookes氏は、最近寄せられた「GMOは食品価格を吊り上げているか?」との問いに回答する中で、GM作物の生産性に係るメリットをいくつか強調しています。彼の回答の引用を以下に示します。

「バイテク(GM)作物が、食品の価格引き下げに寄与した主な理由は、採用された技術の本質に根ざしています。現在までに採用されてきた技術の多くは生産性に重点をおき、コストを削減する技術でした。これらの技術の導入により世界の生産量は増加し、1996年から2012年の間に、ダイズでは1億2,200万トン、トウモロコシでは2億3,700万トン、綿毛では1,800万トン、そしてキャノーラでは660万トン、それぞれ生産量が増えました。同時に、これらの作物を生産するための費用は、この技術を用いた方が従来型の技術を使った場合よりも概して低めでした。なぜなら、この技術を用いることで農薬や燃料などの投入費用が節約できたからです。これらの費用の節約分は、通常、農家がGM種子の購入に支払う余分の金額を上回っており、より高い収量によって得られた追加収入を加味すれば、GM技術を採用した農家の正味収入増は、累計で1,166億ドル(1996-2012)に達しています。」

これら農業用の費用節約GM技術-例えば除草剤耐性害虫抵抗性―が、ダイズやトウモロコシ、ワタ、キャノーラの価格にどれくらい影響を及しているかを正確に算定することは困難です。現在そして過去の作物価格には、様々な要因が反映されており、費用節約型の新技術の導入・採用も、それらの要因の一つに過ぎません。つまり、様々な変動要因が価格に及ぶす影響を推定するのは、非常に難しいのです。

大まかに言えば、食品や飼料の実質価格はこの50年間一貫して低下してきました、この認識は重要です。これは、突然できたことではありません、生産性向上のための努力を、生産者たちが営々と続けてきた結果なのです。このような生産性向上は、様々な新技術や手法を採りいれることで、成し遂げられてきたのです。

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回答者 コミュニティ・マネジャー

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