様々な食品に活かされ日本の「食」を支えています

1.遺伝子組換え食品は私たちのすぐ身近にあります

遺伝子組換え作物は、日本に毎年大量に輸入されており、私たちの身近な食品に数多く使われています。たとえば、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、綿実油などの食用油、しょうゆ、コーンスターチ(でんぷん)、コーンシロップなどに多く利用されています。コーンスターチは、ソースやドレッシング、たれ、クリーム、ヨーグルトなどになめらかさやツヤを与えるために、コーンシロップは、清涼飲料の甘味料として使われています。また、家畜の飼料にも利用されています。

遺伝子組換え「作物」ではありませんが、遺伝子組換え技術は食品添加物にも利用されています。牛乳を凝固させる酵素キモシン」はナチュラルチーズの製造に欠かせませんが、天然のキモシンは仔牛の第4胃からしか取り出されないため貴重品でした。そこで、キモシンを作る遺伝子を微生物に組み込み、これを増やしてキモシンを大量生産することで、チーズを安定的に製造するようにしました。遺伝子組換え技術がなければ美味しいナチュラルチーズを安価に楽しむことは難しいでしょう。

2.遺伝子組換えでも表示義務がないものがあります

ふだん、私たちは「遺伝子組換えでない」という表示は目にしますが、「遺伝子組換え」という表示はあまり見かけません。私たちの身近な食品に数多く使われ、ふだん利用しているはずの遺伝子組換え作物を、あまり身近に感じていないのはどうしてでしょうか。

遺伝子組換え作物が何に使われているのか、私たちが知る手掛かりになるのが、食品表示です。遺伝子組換え作物を使っている、または使っている可能性がある場合、「JAS法」と「食品衛生法」により、そのことを表示することが義務付けられています。表示義務の対象となるのは、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、綿実、アルファルファ、テンサイ、パパイヤの8種類の作物と、それらを原料とした33の加工食品です。

ただし、原材料が同じダイズでも、豆腐や納豆、みそには表示義務がありますが、しょうゆや食用油には表示の義務がありません。表示が義務付けられているのは、組み込まれた遺伝子や、その遺伝子によって作られたたんぱく質が残っている可能性のある加工食品です。しょうゆや食用油は、製造の過程で酵素分解や加熱、精製などによってこれらが分解、除去されます。ですから、遺伝子組換え作物を使ったかどうか判別がつかないので、表示の義務がありません。また、遺伝子組換え作物が重量割合で上位3位までの「主な原材料」に当たらない加工食品は、表示が省略できることになっています。

日本に輸入された遺伝子組換え作物の大半は、表示が義務付けられていない加工食品や、私たちが直接目にすることのない家畜の飼料に利用されています。たくさん輸入されているにもかかわらず、「遺伝子組換え作物を食べている実感があまりない」というのはこのためです。

3.混入率5%以内なら「遺伝子組換えでない」と表示できます

原材料に遺伝子組換え作物を使用していない場合は、遺伝子組換え作物と非遺伝子組換え作物が混ざらないように、きちんと分別管理されてきたことを証明すれば、任意で「遺伝子組換えでない」と表示してよいことになっています。

ただし、どんなにきちんと分別管理しようとしても、同じ倉庫やコンベヤー、トラックなどを使っていることから、現実には完全な分別が極めて困難なのです。そこでダイズとトウモロコシについては、分別管理が適切に行われていて、わざとではない5%以下の混入であれば「遺伝子組換えでない」と任意表示できることが認められています。

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