専門家により安全性が確認されています

1.安全性が確認されたものだけ出回っています

日本で遺伝子組換え作物の利用が始まったのは、1996年のことです。以来現在に至るまで、私たちは遺伝子組換え食品を食べ続けていますが、この間、世界的に見ても健康被害の報告はありません。これは、遺伝子組換え食品の安全性が厳しくチェックされていることの表れでもありましょう。

遺伝子組換え食品の安全性については、WHO世界保健機関)などの国際機関が国際基準を定めており、各国の食品基準はこの国際基準とずれや矛盾がないように設定されています。日本でも、内閣府の食品安全委員会が、科学的に安全性を確認しています。確認作業には食物アレルギーや微生物学、植物学、農学など、医師を含む学識経験者が携わっています。

こうして安全性が確認されたものについて、厚生労働大臣が食品としての利用を認めます。私たちが口にする遺伝子組換え食品は、安全性の審査にパスしたものだけです。

意外に思われるかもしれませんが、一般の食品については安全性を確認するという作業をしていません。農業試験場などで作物の新品種を開発するときも、美味しさなどは追求するものの、食べても安全かどうかといった審査はしないのです。人間が長年食べ続けてきた経験から「たぶん大丈夫」と判断できるからです。とはいえ、リスクの全くない食品は存在しません。日本では年に数人が食べたものによって命を落としていますが、いずれも毒キノコやフグ毒といった自然毒が原因です。ジャガイモの芽にソラニンという有毒成分が含まれていることも、よく知られているでしょう。

このように一般の食品では安全性の確認審査はしていない中で、遺伝子組換え食品は科学的に安全性を確認している数少ない食品なのです。

2.多くの公的機関、科学団体が安全性を支持しています

内閣府の食品安全委員会が、一般の消費者と食品安全の専門家の食品に対するリスク認識の違いを調査した結果があります(図1)。遺伝子組換え食品について、一定数の一般消費者がガンの原因になると考えていました。これに対し、食品安全の専門家の中で遺伝子組換え食品をガンの要因として挙げる割合は皆無であり、調査した22項目中でなんと最下位でした。つまり、専門家の間では「遺伝子組換え食品はガンのリスク要因ではない」という共通認識があることが分かります。

図1
図1 ガンの原因になると考えるものとして、1?5位と回答した人の割合
出典:内閣府食品安全委員会「食品に係るリスク認識アンケート調査の結果について(2015年)」
https://www.fsc.go.jp/osirase/risk_questionnaire.data/risk_questionnaire_20150513.pdf

1996年に遺伝子組換え作物の世界的な利用が開始されて以来、多くの研究者や公的機関が、食べた人間や動物にどのような影響が生じたのか、詳しく検証してきました。WHO、欧州委員会、米国3アカデミー(科学、技術、医学)は、これまでのデータをもとに、いずれも「遺伝子組換え作物はこれまでの作物と同程度に安全である」という結論を公表しています。

ノーベル賞受賞者からも遺伝子組換え作物の安全性は支持されています。2016年6月、ノーベル賞受賞者100人以上が連名で、「遺伝子組換え作物はこれまでの作物と等しく安全であり、有害だとする証拠は無い」と、遺伝子組換え作物を支持するメッセージを公表しました。

このノーベル賞受賞者らのメッセージは、単なる安全宣言ではありません。遺伝子組換え作物は安全であるのみならず、特にゴールデンライスは途上国の人命を救う手段ともなりうるため、活動家はその妨害を即刻中止すべきであり、各国の指導者はその普及を後押しすべきであると、強く訴えかけるものでした。このメッセージに賛同する受賞者の数は今も増え続けており、存命の受賞者のなんと3分の1以上に達しています。

3.安全性を疑問視する数々の“報告”は公的機関が否定

しかしながら、インターネット上では遺伝子組換え食品の危険性を懸念する声も目立ちます。また、遺伝子組換え食品の安全性を疑問視する報道に接した人も多いでしょう。「遺伝子組換えダイズを与えたラットの子で、死亡率の上昇や成長阻害が見られた(2005年、ロシア)」、「遺伝子組換えトウモロコシを2年間与えたラットが乳がん、脳下垂体異常、肝障害を発症した(2012年、フランス)」といったニュースは、みなさんを不安にさせたのではないでしょうか。

こうした“報告”は、のちに国際的な公的科学研究機関によって実験方法の不備などが指摘され、「遺伝子組換えは危険である」という主張はすべて、科学的に証明されないことが明らかにされました。

ただし、訂正された事実は日本にはあまり伝わっておらず、まだ不安を抱いている方もいらっしゃるのが残念なところです。

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