GMO Answers

質問

質問者 joanne aubertin (カナダ、ユーコン準州、ホワイトホース)

EPA(米国環境保護庁)は、グリホサートの残留許容値を動物飼料では100 ppmに、油糧種子作物では40 ppmに、それぞれ引き上げることにしたそうですが、これは本当ですか?EPAは、新たな許容値はヒトにとっては「極めて毒性が低い」レベルとしているので、心配しなくても良いのは幸いですが。

回答

ご質問ありがとうございます。EPAが、日々摂取する残留グリホサートの量が一日摂取許容量(ADI)を下回る場合は安全だと考えられるので、新たな残留許容値はヒトには「極めて毒性が低い」レベルであると言及したことについては把握していませんでした。EPAは、これらの許容値を設定するために2013年に行った統合リスク評価と安全性判断の結果について、以下のように結論付けています。

  • グリホサートは急性リスクをもたらさないと考えられる。
  • 食品や水からのグリホサートへの慢性被ばくは、ADIのわずか13%にすぎなかった。
  • グリホサートがヒトにがんリスクをもたらすとは考えられない、そして
  • 残留グリホサートへの被ばくをすべて総合しても一般の成人や児童幼児に害を及ぼすことはないことについては、合理的な確実性がある。

このウェブサイトに寄せられた過去の質問に対し、EPAがどのようにグリホサートの安全性を判断しADIを設定したのかいついて、既に詳細な回答が書かれていますので興味があればご覧ください(http://gmoanswers.com/ask/if-roundup-safe-human-consumption-trace-amounts-food-then-it-safe-drink-it-if-not-where-line)。 参照元が書かれていませんが、多分あなたは2013年5月1日付の環境保護庁(EPA)連邦広報に掲載された「グリホサート-農薬許容最終規則」について言及しているのではないかと思われます(http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2013-05-01/pdf/2013-10316.pdf)。

地域間研究プロジェクトNo.4(通称IR-4:マイナー作物害虫管理プログラム)は、米連邦食品・医薬品・化粧品法に基づいて、これらの許容値を要請しました。IR-4は、政府と産業界が共同して取り組むプロジェクトで、米国農務省の農業研究事業団(ARS)や州政府研究教育普及共同事業局(CSREES)、ランドグラント大学システム、米国環境保護庁(EPA)、農薬産業、農産品団体、生産者などが参加しています。1963年以来、IR-4プロジェクトは、新たなEPAの許容値や製品の使用法表示を支援するための研究データの構築を通じて、スペシャリティ作物の生産者に様々な病害虫管理ツールを提供してきました。

グリホサートのような除草剤が食用作物に使用を認められるには、科学や法律、行政上の手続きが必要で、EPAは製品に含まれるすべての成分や製品が使用される作物、使用量、使用頻度、使用時期などについて審査します。

食用作物に除草剤の使用を承認する前に、EPAは許容値あるいは最大残留基準値を設定します。この許容値とは、散布された除草剤が、食用農作物の中あるいは表面に残っていても許される、合法的な残留量のことです。許容値の設定にあたっては、EPAは、その除草剤が「合理的な確実性をもって安全に」使用できることを確かめねばなりません。この判定をする際、EPAは除草剤やその分解物の毒性試験から得られたデータを検討し、除草剤がどれだけ使用されるか、どれくらいの頻度で使用されるか、またどれだけの除草剤が食品の中あるいは表面に残留するか(つまり残留量)などを考察します。

EPAは、除草剤やその他の農薬の登録取得をめざす企業に対し、様々な種類の試験研究を行うことを要求しています。EPAはそれらの試験研究の結果を踏まえ、製品が人々の健康や環境のための連邦安全基準を確実に満たすよう、評価を行っています。

他に質問があれば、遠慮なくお寄せください。皆さんの家族や私の家族が安心して食べ物を口にすることができるように、食用作物に使用された後のグリホサートがどうなるかは、多くの研究や科学的な評価によって確かめられていることがお分かり頂けたかと思います。

回答者 ドナ・ファーマー博士

回答者

ドナ・ファーマー博士

Donna Farmer

モンサント社、ケミストリー・スチュワードシップ・リード

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