GMO Answers

質問

質問者 loyola90 (カリフォルニア州、サンフランシスコ)

遺伝子組み換えで植物を病気から守ることができますか?

回答

遺伝子組み換えは、すでに植物を病気から守る役割を果たしていますが、この分野の可能性は極めて大きいと思います。他のソリューションによる植物の保護が、実用的でない、あるいは効果がないような場合に、遺伝子組み換えが利用される可能性は高いでしょう。また、遺伝子組み換えの利用は、作物の病気を媒介する害虫を防除するための農薬の使用を大幅に減らすことができるだけでなく、農作業の時間や費用を節約し、化学薬品の散布から環境を守ることができます。

(いくつかの)事例

  • ハワイ産のレインボー・パパイヤとサンアップ・パパイヤは、壊滅的な被害を与えるパパイヤ・リングスポット・ウィルス(PRSV)から、パパイヤを保護するために遺伝子組み換えされたものです。夏カボチャも、いくつかの種類のウイルス病から保護するために、遺伝子組み換えされています。パパイヤとカボチャは、現在市場に流通しています。カボチャは1994年から市販されており、カボチャの生産農家にとって大変有用なものとなっています。
  • 米国のかんきつ産業は、現在、オレンジを緑に変色させ落果させてしまう病気「シトラス・グリーニング」に悩まされています。シトラス・グリーニングは、米国のかんきつ産業の存在そのものを脅かすものだと、全米科学アカデミーは警告しています。研究者たちは、この病気に対し、少しでも抵抗性を持たせるため、ホウレン草からの遺伝子を組込んだオレンジの樹を開発しています。この研究が成功すれば、そのような樹で産業を救うことができるでしょう。
  • プラムやその他の果樹は、致命的な病気、プラム・ポックス・ウイルス(PPV)に脅かされています。科学者たちは、このウイルスに遺伝的な抵抗性をもつGMプラム樹を開発しました。コーネル大学は、「PPV抵抗性の実現にとって、最も可能性が高いのは遺伝子組み換えである」と評しています。ウイルス耐性の樹木は、果樹を栽培する果樹園を、病気の侵害から守り、苗床での病気の蔓延を防ぐことができるでしょう。
  • ワイン産業は、ピアス病の脅威にさらされています。この病気はヨコバイ(Proconiini族に分類されるヨコバイ)が媒介する病原菌によって引き起こされます。現在、この病気を抑える唯一の方法は、媒介昆虫を防除するためにマラチオンを空中散布することですが、このような方法は望ましくないだけでなく、あまり効果がありません。デビス技術、すなわち病原菌にダブルパンチを与える遺伝子融合は、ブドウの木自体に抵抗性を持たせるため、媒介昆虫や病原菌からの影響を受けず、病気を防ぐ上で確実で持続可能な方法と言えます。この技術が実用化されれば、病気の予防や防除費用が何百万ドルも抑えられるだけでなく、ワイン産業全体を救う可能性があります。
  • バレイショの疫病は、植物の病気の中でも最も壊滅的な被害をもたらす病気の一つです。この病気は、バレイショの主要な病原菌でトマトも罹病する、卵菌のPhytophtera infestansによって引き起こされます。この病気は、50億ドルにものぼる被害をもたらしており、アイルランドのバレイショ飢饉の原因ともなりました。病害の防除には、大量の殺菌剤を散布する必要がある一方、これまでこの病原菌に何らかの抵抗性をもつようなバレイショは、育種されてきませんでした。現在、バレイショの野生種から二つの遺伝子を導入し、病気に確実な抵抗性をもたせた「フォルトゥーナ」というバレイショ品種が開発されており、このバレイショでは、殺菌剤を散布する必要がありません。

 

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http://www.theatlantic.com/technology/archive/2013/05/genetically-engineering-an-icon-can-biotech-bring-the-chestnut-back-to-americas-forests/276356/

回答者 マルチナ・ニューウェル-マックグロッフリン

回答者

マルチナ・ニューウェル-マックグロッフリン

Martina Newell-McGloughlin

カルフォルニア大学デービス校、国際バイオテクノロジープログラム、ディレクター

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