GMO Answers
質問
食品の遺伝子組み換えはいつから始まったのですか?
回答
「テオシント」って聞いたことがありますか?この草のような植物はトウモロコシの原種なのです。1万年前に、現在はメキシコとなった地域の農家(原住民)が、初めてこの植物の栽培化に踏み出しました。それは、テオシントの種子(穀粒)が植付けに最も適していたためで、この植物、すなわちトウモロコシは、現在では全世界の人々の栄養の21%を賄うまでになりました。
農業としての栽培が始まって以来、農家は、彼らが栽培するあらゆる作物の遺伝的な組成を、意図的に改変してきました。今日市販されている果物や野菜、そして穀物は、有機や先祖伝来の種子を含め、すべて人間の手によって改変されてきたのです。
多くの人は、遺伝子組み換え食品について尋ねるとき、往々にして「GMO」という言葉を使います。「GMO」とは、ある植物もしくは生物の好ましい遺伝子や遺伝物質の一部を複製して、他の植物に挿入したり、既存の遺伝子を無効化、あるいは移動させたりして作られた植物のことを指します。米国で市販されているGMOは、9種類の作物だけです。すなわち、ダイズ、トウモロコシ(飼料用とスイートコーン)、パパイヤ、キャノーラ、ワタ、アルファルファ、テンサイ、バレイショ、そして夏カボチャです。
以前に寄せられた質問への回答で、私は遺伝子組み換え(DNAという形の遺伝物質を、一つの生物から別の生物へと移動させるという意味で)の歴史について述べました。以下はその引用です。
「自然界は、遺伝子をごちゃ混ぜにする達人で、絶えずDNAを並べ替えており、あらゆる生物に、時にはわずかな、また時には重大な変化を引き起こしています。人類は、数千年の昔、より良い食品や繊維を生産するために異種交配を始めたときに、初めて人間のためのDNA管理を行うようになりました。1953年に、科学者たちはDNAの構造を発見しました。その後1973年には、研究者たちは、DNAを切ったり繋いだりする方法を開発するに至りました。この方法は、科学者に、DNAを切断し、その断片を組換えることを可能にしたため、組換えDNA、あるいはrDNA、として知られるようになりました。それ以来、研究者たちは、DNAという形の遺伝形質を、どのようにして、一つの植物または動物から他の植物や動物に移動させるかについて、多くのことを学んできました。」
「遺伝子組み換えは、選抜育種よりもはるかに正確です。特定の遺伝子だけを一つの植物あるいは動物から他の植物や動物に移動させることで、研究者たちは、選択育種では頻繁に起こる不必要なその他多くの形質の移動をともなうことなく、ある特定の形質だけを導入することができるのです。また遺伝子組み換えは、特定のワクチンや医薬品、診断薬を生産するための手段として、現在、利用可能な唯一の方法となっています。植物の遺伝子組み換えは、1980年代初期から行われてきました。1986年に、EPAは初の遺伝子組み換え作物、タバコウイルスに耐性のあるタバコの商業栽培を承認しました。」
ちなみに、この回答では、米国で現在入手可能な8種類のGM作物が、初めて販売された年度についても触れています。
更に質問があればお寄せください。
回答者 フラン・キャッスル回答者
フラン・キャッスル
Fran Castle
BASF社、広報部門、グローバル・シニアマネジャー