GMO Answers

質問

質問者 Phyllis (ワシントン州、ディアパーク)

バレイショは遺伝子組み換えされていますか?

回答

現在米国で販売されているバレイショ(ジャガイモ)で遺伝子組み換えされたものはありません。1995年にNatureMark 社(モンサント社の子会社)がコロラドハムシに抵抗性のあるバレイショを、「NewLeaf」というブランド名で販売し始め、その後、ジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV)やジャガイモウイルスY(PVY)にも抵抗性のある次世代のバレイショを市場に送り出しました。しかしながら、これらのバレイショは2001年に販売を取りやめています。

ごく最近では、J.R. Simplot社が遺伝子組み換えバレイショ「Innate」の承認をUSDAから得ています。これらのバレイショは、「Russet Burbank」や「Ranger Russet」、「Atlantic」などの品種として、2015年の春から米国での販売が始まる予定です。「Innate」バレイショには外来の遺伝子は使用されていません。伝統的な育種と同様、野生のバレイショや栽培品種からの遺伝子のみを使用しています。これを「緑のGM」と呼ぶ人たちもいます。

「Innate」バレイショは、健康や環境の面で、農家と消費者の双方にベネフィットをもたらします。まず従来のバレイショと比較すると40%も傷みにくく、皮をむいて調理するまでに黒い斑ができたり、変色したりすることがありません。これにより、レストランやスーパーで廃棄され、ゴミとして埋め立て処理場に運ばれる褐変バレイショの量を、年間で約4億ポンド(約1億8160万キログラム)も減らすことができます。消費者も、黒い班があるようなバレイショは捨てています。バレイショの傷みが少なくなれば、農家は自分たちの作物を販売しやすくなり、バレイショの栽培に係る農薬や水、二酸化炭素の量も減らすことができます。

二つ目のベネフィットは、「Innate」バレイショでは、高温で調理した際に発生するアクリルアミドの量が、従来のバレイショに比べ最大70%ほど少ないことです。アクリルアミドは、殆どのでんぷん食品に含まれる天然の化合物ですが、実験動物に大量に与えた場合に、がんを引き起こす可能性があることが指摘されています。次世代の「Innate」は、アクリルアミドが90%以上も少なくなるとされており、消費者には、より健康的な選択肢が提供されることになります。

詳細はwww.simplotplantsciences.com.をご参照ください。

回答者 ジョー・ギュンター

回答者

ジョー・ギュンター

Joe Guenthner

アイダホ大学、農業経済学名誉教授

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