バイテク資料室 - 用語集

害虫抵抗性(がいちゅうていこうせい)

害虫に強い性質のこと。遺伝子組換え農作物では、Btトウモロコシなどがその例。害虫の天敵微生物(バチルス・チューリンゲンシス、Bt)から特定の昆虫のみを殺すタンパク質、例えばBtタンパク質を作る遺伝子を取り出して、導入することによって作られている。導入するタンパク質は特定の種類の昆虫だけに殺虫力を示すので、それ以外の生物に影響をおよぼすことはない。また、通常の育種においても、ネコブセンチュウに対して抵抗性を持つトマトなど様々な害虫抵抗性の品種がある。

核(かく)

動物、植物や菌類等の真生物の細胞にある球形の小体を示す。膜に包まれ、内部に遺伝情報を持つ、染色体を含んでいる。一般には、1細胞に1個ある。

核酸(かくさん)

塩基、糖、リン酸が結合したヌクレオチドが連なった高分子の物質。に多く存在する酸性物質ということから核酸と名づけられた。糖がデオキシリボースであればDNA、リボースであればRNAに大きく分けられる。

隔離圃場(かくりほじょう)

隔離圃場は、農林水産省が定める「遺伝子組換え体の利用指針」に基づき、組換え作物の環境に対する安全性評価試験を行うための施設で、周囲をフェンスで囲み、焼却炉、洗い場を備えた小規模で柵など他の場所と隔てられた農場をいう。導入遺伝子の発現、周囲の生物への影響、花粉の飛散による環境への影響などを調べる。

カルス(かるす)

植物体の一部を切り取り、オーキシンやサイトカイニン等の植物ホルモンを含む培地上で培養した時に形成される無定形の細胞隗を示す。植物体のあらゆる部分からカルスを形成させることができ、適当な条件下では無限にカルスの状態で成長を続ける。しかしある条件下で培養すれば、組織分化や不定芽、不定根が形成される。

環境保護庁(EPA)(かんきょうほごちょう(いーぴーえー))

米国環境保護庁。Environmental Protection Agencyの略。

環境保全型農業(かんきょうほぜんがたのうぎょう)

農薬や化学肥料の利用による環境負荷を減らし、生産性・収益性も考慮した持続可能な農業のことをいう。農林水産省では「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」と定義している。

環状DNA(かんじょうでぃーえぬえー)

DNA鎖の端が結合して環状になったDNA。ほとんどの原生物の染色体DNAプラスミドなどのDNAは一般的に環状DNA

キモシン(きもしん)

古くからチーズを製造する過程で牛乳を凝固させるために用いられてきた酵素。若い反芻類の胃液中に存在するアスパラギン酸プロテアーゼの一つ。ペプシンと同様の作用を持っているが、それよりも凝乳作用がはるかに強く、特に牛の胃から抽出した凝乳酵素剤はレンネットと呼ばれる。

急性毒性試験(きゅうせいどくせいしけん)

マウスやラット等の実験動物にある物質を1回投与し、14日間観察して致死率などの毒性を調べる実験のことをいう。実際に投与した際に死亡率が50%になる用量を求めるものでLD50(半数致死量)又はLC50(半数致死濃度)で判断される。LD50が小さいほど毒性が強いことになる。

クローン(くろーん)

個体を指す場合、細胞を指す場合、遺伝子を指す場合の3通りがあるが、いずれも同じ1個の起源のコピーであるような、遺伝子型が均一の無性的な生殖によって生じた生物的集団を意味する。遺伝子の場合は、組換えDNA実験の開発によりクローン化が可能となり、遺伝子構造解析やその他多方面の研究に広く活用されている。

経済協力開発機構(OECD)(けいざいきょうりょくかいはつきこう)

1961年に、欧州経済協力機構(OEEC)を改組した形で発足した経済協力開発機構は、加盟30ヶ国の政府間機関。1964年には日本も加盟した。その目的は、世界経済の発展、貿易拡大、加盟国の協力による経済発展の途上にある国々の経済発展への貢献。

形質転換(けいしつてんかん)

プラスミドやそれに結合した遺伝子なども含め、DNA分子を細胞に導入し、起こす遺伝現象のことをいう。遺伝子工学の基本技術の一つ。グリフィスが肺炎双球菌で、ある株の性質が他の株にうつる、この現象を発見し、遺伝子DNAであることを証明するさきがけとなった。

ゲノム(げのむ)

生物の調和のとれた生活機能を保つ上で欠かすことのできない染色体の一組のこと。細胞には母親由来の一組の染色体と父親由来の一組の染色体が対になって存在する。この対を構成する半数がゲノムと呼ばれ、それぞれが単一のDNAの巨大分子。種を規定する遺伝情報は全てこの中におさめられている。

コーデックス委員会(こーでっくすいいんかい)

国連食品規格委員会のこと。1962年に発足し、食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品規格計画を遂行し、国際的に合意された食品の規格基準類を設定する。消費者の健康確保、公正な食品貿易の確保、国際間の食品貿易の促進を目的としている。

交雑(こうざつ)

雑種が形成される遺伝的組成の異なる2個体の交配のこと。狭義には、着目する遺伝子およびその対立遺伝子をそれぞれホモに持つ2個体間の交配をいう。

抗生物質(こうせいぶっしつ)

他の細胞や微生物の発育又は機能を阻止する物質の総称。ペニシリン、ストレプトマイシンといった微生物由来のものだけでなく、抗癌抗生物質やコレステロール合成阻害剤等など動植物が作る物質や化学修飾した物質も抗生物質と呼ばれることがある。医薬品や食品保存薬などとして利用されている。

酵素(こうそ)

細胞内で作られるタンパク性の生体触媒。酵素によって触媒される化学反応を酵素反応というが、生体内の化学反応はほとんど全てが酵素反応で、物質代謝は全て酵素系に依存している。多くの酵素でビタミン類などの補酵素を必要とする。酵素は通常の触媒と比べて特異性が高く、温和な条件下で強力に作用する。

交配(こうはい)

2個体間で受粉あるいは接合、受精を行うこと。交雑と同義で用いられる。

国連食糧農業機関(FAO)(こくれんしょくりょうのうぎょうきかん)

Food and Agriculture Organization of the United Nations。旧国際連盟の万国農業協会を引き継いで1945年に設立された。農作物の加工・流通の改善・農民の生活と栄養水準の向上・飢餓をなくすことを目標としている。

コドン(こどん)

遺伝暗号の単位。核酸を構成している4種類の塩基のうち、3個の配列が単位となって、それぞれのアミノ酸に対応している(トリプレット暗号)。64通りの組み合わせが可能だが、そのうち61通りがアミノ酸コドン、残りの3通りが終止コドンとなっている。

  

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