更新日:2024年12月3日

遺伝子組み換え作物とSDGs

遺伝子組み換え作物は、SDGs(持続可能な開発目標)の様々なゴールに貢献することが可能です。

遺伝子組み換え作物とSDGs

農家の収入の増加

1.貧困をなくそう 8.働きがいも経済成長も

遺伝子組み換え技術により病害虫や雑草による被害を受けにくい作物を作ることができます(害虫抵抗性作物・除草剤耐性作物・耐病性作物など)。このような作物は厳しい環境でも栽培することができるため、安定した栽培や裏作が可能になり、農家の収入が増加します。遺伝子組み換え作物の採用により、単年度で世界全体の農家の農業所得は188億ドル押し上げられ、そのうち98億ドルは途上国の農家に帰属します1。また、一人ひとりの生産者の収入が増加することで社会全体の経済成長につながります。

もっと詳しく知りたいかたはこちら

栄養の強化・食料廃棄量の削減

3.すべての人に健康と福祉を 12.つくる責任、つかう責任

遺伝子組み換え技術は、作物の栄養成分も変えることができます。貧困地域での栄養欠乏を防ぐため、ビタミンA含有量を高めたイネのゴールデンライスが開発されています。他にも、オレイン酸含有量を高めた高オレイン酸ダイズ、栄養成分を強化したバナナやキャッサバ、ソルガム、スギ花粉米などが挙げられます。

栄養の強化のほか、持続可能性に貢献できる遺伝子組み換え作物には傷や物理的衝撃による変色を起こしにくい遺伝子組み換えリンゴやジャガイモがあります。このような特徴によって、見た目の悪さを理由とした無駄な廃棄を無くすことが可能となり食料廃棄量の削減につながります。

もっと詳しく知りたいかたはこちら

二酸化炭素放出量の削減

13.気候変動に具体的な対策を

特定の除草剤をまいても枯れない遺伝子組み換え作物(除草剤耐性作物)を導入することで、農薬の散布頻度を軽減し、散布や除草作業に必要な機械の燃料を削減できます。また、除草剤耐性作物によって不耕起栽培(雑草防除のために農地を耕さない栽培)が可能になるため、耕起で大気へ放出される土壌中炭素の抑制により、1年間で236億kg(自動車1,560万台分)の二酸化炭素放出を削減できます1

もっと詳しく知りたいかたはこちら

食糧の増産・農地の拡大や土壌侵食の抑制

2.飢餓をゼロに 15.陸の豊かさも守ろう

遺伝子組み換え作物の導入により収穫が安定化し、非遺伝子組み換え作物と比較して20%以上収量が増加します2。より多くの人に安全な、栄養価の高い作物を届けることができます。また、生産サイクルが短縮され裏作が可能になり、同じ面積でより多く収穫することができるので農地の拡大を抑制します。遺伝子組み換え作物が無ければ、2020年の生産量を維持するために2,340万haの農地が新たに必要となります1。さらに、除草剤耐性作物によって不耕起栽培が可能になるため、土壌浸食や河川への有機物流出を抑制できます。

もっと詳しく知りたいかたはこちら

1Graham Brookes (2022) Farm income and production impacts from the use of genetically modified (GM) crop technology 1996-2020,
DOI:10.1080/21645698.2022.2105626
2Klümper and Qaim (2014) A Meta-Analysis of the Impacts of Genetically Modified Crops. PLoS ONE 9(11).

Pagetop