遺伝子組換えは様々な食品に活かされ日本の「食」を支えています

遺伝子組換え食品は私たちのすぐ身近にあります

輸入された遺伝子組換え作物は、私たちの身近な食品に数多く使われています。遺伝子組換え作物が多く使われているのは、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、綿実油などの食用油、しょうゆ、コーンスターチ(でんぷん)、コーンシロップ、家畜の飼料などです。コーンスターチは、ソースやドレッシング、たれ、クリーム、ヨーグルトなどになめらかさやツヤを与えるために、コーンシロップは、清涼飲料の甘味料として使われています。

もし遺伝子組換え作物がなくなったら…

遺伝子組換え作物は様々な用途に使われ、日本の食を豊かにしています。もし遺伝子組換え作物がなくなったら、私たちの食生活はどうなるのでしょうか。

フルーツジュースや炭酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料には、トウモロコシを材料にして作るコーンシロップが使われています。アルコール飲料に使う発酵原料もトウモロコシで作られます。日本はトウモロコシのほとんどを輸入に依存していますが、輸入トウモロコシの約8割が遺伝子組換えですから、これがなくなれば飲料産業への影響は避けられないでしょう。どれにしようか迷うほど店頭に並んでいた飲料の品数は減り、品揃えはずいぶん寂しくなるのではないでしょうか。

窮地に追い込まれると思われるのは畜産業もそうです。飼料の主原料はトウモロコシやダイズですから、もし遺伝子組換えのトウモロコシやダイズがなくなれば、飼料の調達が困難になり畜産業を続けられなくなります。国産の飼料だけでは、とても日本の畜産業を支えるのに十分ではありません。

遺伝子組換え技術は食品添加物にも利用されています。牛乳を凝固させる酵素「キモシン」はナチュラルチーズの製造に欠かせませんが、天然のキモシンは仔牛の第4胃からしか取り出されないため貴重品でした。そこで、キモシンを作る遺伝子を微生物に組み込み、これを増やしてキモシンを大量生産することで、チーズを安定的に製造するようにしました。この場合、利用するのは遺伝子組換え微生物が作ったキモシンであって、チーズに遺伝子組換え微生物そのものが含まれるわけではないところが、遺伝子組換え作物と違うところです。しかし、遺伝子組換え技術がなければ美味しいナチュラルチーズを安価に楽しむことは難しいでしょう。

私たちはふだん、遺伝子組換え食品を食べているという実感があまりありません。だからこそ、なくなったときのインパクトは大きいと思われます。それだけ遺伝子組換え食品が私たちの食生活に浸透し、なくてはならない存在になっているのです。

よく「国産品を選びましょう」と言いますが、私たちが国産の牛肉や豚肉を食べようとすればするほど、飼料となる遺伝子組換えトウモロコシや遺伝子組換えダイズをたくさん輸入しなければならないのです。この点でも、遺伝子組換え作物の利用は欠かせないと言えます。

図1 世界の遺伝子組換え作物の栽培面積の推移

輸入に頼る日本にとって遺伝子組換えは重要な選択肢の1つ

世界の遺伝子組換え作物の作付面積は年々増加しています。2014年の時点で28 カ国、約1億8150万ヘクタールで栽培されています。(図1)商業栽培が始まった1996年時に比べると100倍以上に拡大しており、その面積では日本の国土の約4.8倍に相当します。
https://cbijapan.com//wldgenetic/cultivation

世界の人口は増え続けていますが、耕作面積の拡大はほぼ限界です。世界の胃袋を満たすには、単位面積当たりの生産量を増やさなければなりません。たくさん実をつける品種、早く収穫できる品種、干ばつに強い品種や病気に強い品種などを、遺伝子組換え技術で実現することに期待がかかっているのです。

遺伝子組換え作物の生産と利用が世界的な流れであることは、もはや変えることはできません。遺伝子組換え作物を既にたくさん利用している日本も、その利用をやめることはできないところまできているのです。

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