更新日:2022年12月6日

遺伝子組み換え作物の社会受容

日本でも「遺伝子組み換え作物」を原料とする食品は、私たちの暮らしに深く浸透しています。しかしながら、多くの方は、そのような実態をご存知なく、また、それらの食品に対し漠然とした不安感を持たれ、依然として受容意識は低いといわれています。

バイテク情報普及会では、「遺伝子組み換え作物」を原料とする食品に対する消費者意識を把握するための調査を過去より実施しています。ここで、2021年12月に全国の20代~50代の男女2,000人を対象に実施した消費者意識調査の結果をご紹介します。また、2021年よりゲノム編集作物・ゲノム編集魚の流通が開始したことを受け、同調査ではゲノム編集食品に対する意識についても調査しています。結果の詳細は下記のリンクをご覧ください。

» 遺伝子組み換え/ゲノム編集食品に対する消費者の意識調査(2021年・バイテク情報普及会)



消費者調査結果の概要(2021年12月実施)

1.遺伝子組み換え食品に対して良いイメージ、または何のイメージも持っていない人の合計は約半数、若い世代ほど肯定・中立的

遺伝子組み換え食品についてどのようなイメージを持っているかとの問いに「良い」または「どちらかといえば良い」と答えた人は全体の約 12%、「特に何のイメージも持っていない」と回答した人は全体 36%でした。年代別で見ると若年層であるほど遺伝子組み換え食品に対して良いイメージ、または何のイメージも持っていない人の割合が高い傾向がみられました。

遺伝子組み換え食品についてどのようなイメージを持っていますか。全く知らない方は、どのようなイメージを持ちますか。

2.遺伝子組み換え食品に対するイメージは年々改善

当会が過去に実施した調査と比較すると、遺伝子組み換え食品に対して「怖い・悪い」イメージを持つ人の割合は減少傾向にあります。

遺伝子組み換え食品についてどのようなイメージを持っていますか。全く知らない方は、どのようなイメージを持ちますか。

※2017年以前は女性のみを調査対象としていたため、2021年は女性のみ抽出して集計。

3.情報提供により遺伝子組み換え食品に対するイメージは全体の5割以上の人が向上

遺伝子組み換え食品に関するいくつかの情報を回答者に提示した後、あらためて遺伝子組み換え食品のイメージを確認したところ、情報提示前よりイメージが良くなったと約半数の人が回答しました。

提示した遺伝子組み換え食品の情報(一部)

  • 遺伝子はあらゆる生物の細胞の中に存在していますので、毎日食事をすることで、私たちも様々な生物の遺伝子を体内に取り入れています。
  • 遺伝子組み換え作物や食品には、各分野の専門家が参画する、国際基準に基づく国の審査が義務付けられており、この審査において安全性が確認され、政府に認可されたものだけが市場に流通します。
  • 遺伝子組み換え食品はこれまで安全に食べられてきた現在の作物や食品と同じくらい安全であるかどうかを基準として、安全性は評価されています。
  • 遺伝子組み換え食品は農作業による二酸化炭素の排出を減らし、農地拡大のための森林伐採を抑制するなど、持続可能な農業を可能にしています。 ほか

これらの特徴を知って、あなたの「遺伝子組み換え食品」に対するイメージや考えは変化しましたか。

4.ゲノム編集食品について全く知らないと回答した人は約半数、良いイメージまたは何のイメージも持っていない人は全体の3分の2

ゲノム編集食品について全く知らないと回答した人は全体の約半数で、どのようなイメージを持っているかの問いには「良い(1.7%)」「どちらかといえば良い(6.6%)」、「特に何のイメージも持っていない(58.5%)」「どちらかといえば怖い・悪い(25.0%)」「怖い・悪い(8.4%)」でした。

「ゲノム編集食品」についてどのようなイメージを持っていますか。全く知らない方は、どのようなイメージを持ちますか。

過去の調査結果は以下のリンクをご覧ください。

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