よくある質問 - 中高生から寄せられた質問

質問

更新日:2024年12月2日

カナダで行われた調査で93%の妊婦、80%の胎児の血液から遺伝子組み換えトウモロコシに含まれるBt毒素(害虫を殺す成分)が発見されたと、あるNPO法人のホームページにありましたが、安全性をどのように周知していくのがよろしいでしょうか。 (2022年10月・高校生)

回答

お知らせいただいたNPO法人のウェブページには引用文献が無いために、どのような研究によるどのようなデータに基づいて言及しているのか検証することができませんが、そもそも、我々が食べる動物や植物においてもタンパク質は主要な構成成分であり、食べたタンパク質は消化管においてアミノ酸へ分解され吸収されます。そのため、タンパク質がそのままの形で消化管から血液へ吸収されることはまずありません。

また、Btタンパク質は人や家畜などには影響がないことが、信頼される論文や科学機関により確認されています。遺伝子組み換え作物の利用が始まった1996年以来、現在に至るまで私たちは遺伝子組み換え食品を食べ続けていますが、この間、世界的に見ても健康被害の報告はありません。
https://cbijapan.com/about_safety/health_safety/

このように、科学的事実に基づかない情報が巷間にあふれていることは残念なところです。そのため、ある情報に接した際に、その情報は科学的に正しいのか、その情報に信頼すべきソースがあるのか、その情報の発信者は信頼に足るのか、情報の受け手が批判的思考力と一定の科学リテラシーをもつことは重要だと考えています。

バイテク情報普及会が2021年12月に実施した遺伝子組み換え食品に関する消費者調査では、遺伝子組み換え食品に関する情報を回答者に提示した後に、あらためて遺伝子組み換え食品のイメージを確認したところ、情報提示前よりイメージが良くなったと約半数の人が回答しました。
https://cbijapan.com/wp-content/uploads/2022/03/2021_CBIJ_Consumer_Survey_on_GM.pdf

このことからも、遺伝子組み換え食品(または作物)のことを農家や消費者の皆様に科学的で正しく理解していただけるように情報提供を続けていくことが重要であると考えています。また、学校教育を通して科学リテラシーを向上させることが大事であるとも考えています。遺伝子組み換え食品を選ぶかどうかは強制されるものでなく、皆様に委ねられています。

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