よくある質問 - 環境編
質問
遺伝子組み換え作物の栽培では、農家は毎年種子を購入する必要があると聞きましたが本当ですか。
回答
農業の現場では、種子を毎年買うことはごく一般的に行われています。
そもそも農業の現場では種子を毎年買うことは一般的で、遺伝子組み換え作物に限ったことではありません。例えば野菜の品種は、そのほとんどが異なる品種の親を交配して作られる一代雑種 (ハイブリット、F1品種) です。日本の農業では、トマトやナス、ピーマン、キュウリ、メロンなどの果菜類、根菜類のうちダイコンやニンジン、葉菜類のうちハクサイ、ホウレンソウ、キャベツなどはほぼすべてF1品種です。
F1品種は、生産者にとって様々な利点を有しています。まず、F1品種は両親系統よりも優れた性質を示す「雑種強勢」という現象を示すことが知られており、多くの作物の収量向上に役立てられています。また、品質を揃えることが難しい野菜でも、F1品種では品質を揃えることができます。さらに、両親系統それぞれの優れた性質を受け継げることも利点の一つです。しかし、これらの利点は1代限りであるために、自家採種したとしても次世代ではその特性は見られません。そのため、F1品種を栽培している農業生産者は、毎年種苗会社などから種子を購入しています。
F1品種ではない固定種であっても、種子を自家採種して、品質を一定させて栽培する事は簡単なことではありません。そのため、生産者が手間のかかる採種や育苗を自分で行わずに、品質が保証された種苗を毎年種苗会社から購入することは一般的です。日本でも、水稲農家の9割近くが毎年種子を更新、すなわち外部から購入しています1。
1 米麦の種子更新率 (28年産実績及び29年産見込) (一般社団法人全国米麦改良協会)
基礎編
- 遺伝子って何ですか。遺伝子を食べても平気ですか。
- 遺伝子を組換えるとは、どういうことですか。
- 遺伝子組み換えはこれまでの品種改良とどのような違いがありますか。
- 遺伝子組み換え作物は、いままでの農作物とどう違うのですか。
- 植物の遺伝子組み換え技術の開発はどのように始まりましたか。
- 遺伝子組み換え作物はどのようにして作られますか。
- 遺伝子組み換え技術を利用して、どんな作物が作られていますか。
- 遺伝子組み換え作物は、どんな国や地域で、どのくらい栽培されていますか。
- どうして遺伝子組み換え作物の栽培が増えてきたのでしょうか。
- どれくらいの遺伝子組み換え作物が日本に輸入され、どのような食品に利用されていますか。
- 身の回りで使われている遺伝子組み換え技術にはどんなものがありますか。
- 遺伝子組み換え作物は、どのような審査を受けて商品化されますか。
- 遺伝子組み換え作物を輸入するときには、どのような検査が行われていますか。
- 輸入する際、遺伝子組み換え作物と非遺伝子組み換え作物は分けられていますか。
食品・飼料編
- 遺伝子組み換え食品の安全性は、どのように確認しているのですか。
- 遺伝子組み換え食品の安全性は、誰が確認しているのですか。
- 今までに安全性が確認され、日本で流通している遺伝子組み換え食品にはどのようなものがありますか。
- 遺伝子組み換え作物を使った食品は、どのように表示されますか。
- 遺伝子組み換え食品を食べ続けても大丈夫ですか。
- 食べたら害虫が死んでしまうような遺伝子組み換え作物を人間や家畜が食べても平気ですか。
- アレルギーを引き起こす心配はありませんか。
- 飼料として使われる遺伝子組み換え農作物の安全性は確認されているのですか。また、遺伝子組み換え飼料で育った家畜の肉や乳、卵を食べても大丈夫ですか。
- 除草剤耐性作物の栽培に使用されるグリホサートの安全性について教えてください。
- グリホサートの発がん性について、世界の規制当局と国際がん研究機関 (IARC) で評価が異なるのはどうしてでしょうか。
環境編
- 環境に対する影響はありませんか。
- 害虫抵抗性トウモロコシを害虫以外のチョウの幼虫などが食べて死んだりしませんか。
- 害虫に強い遺伝子組み換えトウモロコシを栽培し続けると、害虫の抵抗力が増して、害虫抵抗性の効果がなくなることはありませんか。
- 除草剤の影響を受けない作物の栽培によって農薬の使用量が増えませんか。
- 除草剤の影響を受けない植物が雑草化してしまったらどうするのですか。 また、その遺伝子が雑草に移って除草剤をまいても枯れない雑草が繁殖してしまったらどうするのでしょうか。
- こぼれ落ちた遺伝子組み換え作物が日本の生物多様性に悪影響を与えることはありませんか。
- 遺伝子組み換え作物の普及によって単一栽培が進み、品種の多様性が失われてしまったり、農業や食糧が特定の企業によって支配されてしまったりすることはないでしょうか。
- 遺伝子組み換え作物を栽培することで、環境に対してどのようなメリットが期待できますか。
- 遺伝子組み換え作物の栽培では、農家は毎年種子を購入する必要があると聞きましたが本当ですか。
- 遺伝子組み換え作物の種子は発芽しないように改変されているというのは本当ですか。
未来編
検証編
- 「遺伝子組み換えトウモロコシを2年間ラットに与えたところ、乳がんや脳下垂体異常、肝障害を発症した」という論文が発表されたと聞きましたが、本当に大丈夫ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズを食べたラットから生まれた仔ラットの死亡率が高く、成長も遅かった」という実験結果を聞きましたが、本当でしょうか。
- 「遺伝子組み換えジャガイモをラットに食べさせる実験を行ったところ、免疫力が低下した」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換え食品を食べると、抗生物質が効かなくなる」というのは本当ですか。
- 「承認されている遺伝子組み換え作物も、アレルギーの危険がある」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズが含まれるハンバーガーを食べたヒトの腸内細菌から除草剤耐性菌が検出された」と聞きましたが、本当に食べ続けても大丈夫なのでしょうか。
- 「遺伝子組み換えダイズを栽培したところ、非遺伝子組み換えのものより収量が減った」という報告は本当ですか。