よくある質問 - 食品・飼料編
質問
除草剤耐性作物の栽培に使用されるグリホサートの安全性について教えてください。
回答
世界中の安全性評価機関がグリホサートに発がん性は無く安全であると認めています。
グリホサートを有効成分とする除草剤は、40年以上に渡って世界中で使用されています。日本を含む主要国の規制当局は、すべての農薬と同様に、グリホサートに関する最新の安全性データを常に調査しており、グリホサートに発がん性がないこと、グリホサートを有効成分とする除草剤は表示どおりに使用される限り安全であると、繰り返し結論づけています。
例えば、世界保健機関 (WHO) の下部組織であり農薬安全性評価の専門機関であるFAO/WHO合同残留農薬専門家会議 (JMPR) や、日本、米国、欧州の安全性評価機関は、グリホサートの安全性について次のように結論しています。
FAO/WHO合同残留農薬専門家会議 (JMPR)
「本会議は、食事からのグリホサート暴露で、グリホサートがヒトに対して発がん性リスクを及ぼす可能性は低いとの結論に至った (2016年5月)。」
日本食品安全委員会
「神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった (2016年3月)。」
米国環境保護庁 (EPA)
「EPAは、グリホサートが現行のラベルの指示に従って使用された場合、ヒトの健康へのリスクはなく、グリホサートに発がん性はないと結論した (2020年1月)。」
欧州食品安全機関 (EFSA)
「EFSAは、グリホサートがヒトに対する発がん性を有する可能性は低く、EU規則の下でグリホサートを発がん性物質として分類する科学的根拠は無いと結論した (2015年11月)。」
欧州化学物質庁 (ECHA)
「ECHAリスク評価委員会 (RAC) は、入手可能な科学的根拠に基づけば、グリホサートを発がん性、変異原性、または生殖毒性を有する物質として分類するための基準は満たされないとの結論に至った (2017年3月)。」
他にも、ドイツ連邦リスク評価研究所 (The German Federal Institute for risk assessment、BfR) や、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、韓国の規制当局も、グリホサートが安全であることを繰り返し確認しています。
参考
グリホサートの発がん性について、世界の規制当局と国際がん研究機関 (IARC) で評価が異なるのはどうしてでしょうか。
基礎編
- 遺伝子って何ですか。遺伝子を食べても平気ですか。
- 遺伝子を組換えるとは、どういうことですか。
- 遺伝子組み換えはこれまでの品種改良とどのような違いがありますか。
- 遺伝子組み換え作物は、いままでの農作物とどう違うのですか。
- 植物の遺伝子組み換え技術の開発はどのように始まりましたか。
- 遺伝子組み換え作物はどのようにして作られますか。
- 遺伝子組み換え技術を利用して、どんな作物が作られていますか。
- 遺伝子組み換え作物は、どんな国や地域で、どのくらい栽培されていますか。
- どうして遺伝子組み換え作物の栽培が増えてきたのでしょうか。
- どれくらいの遺伝子組み換え作物が日本に輸入され、どのような食品に利用されていますか。
- 身の回りで使われている遺伝子組み換え技術にはどんなものがありますか。
- 遺伝子組み換え作物は、どのような審査を受けて商品化されますか。
- 遺伝子組み換え作物を輸入するときには、どのような検査が行われていますか。
- 輸入する際、遺伝子組み換え作物と非遺伝子組み換え作物は分けられていますか。
食品・飼料編
- 遺伝子組み換え食品の安全性は、どのように確認しているのですか。
- 遺伝子組み換え食品の安全性は、誰が確認しているのですか。
- 今までに安全性が確認され、日本で流通している遺伝子組み換え食品にはどのようなものがありますか。
- 遺伝子組み換え作物を使った食品は、どのように表示されますか。
- 遺伝子組み換え食品を食べ続けても大丈夫ですか。
- 食べたら害虫が死んでしまうような遺伝子組み換え作物を人間や家畜が食べても平気ですか。
- アレルギーを引き起こす心配はありませんか。
- 飼料として使われる遺伝子組み換え農作物の安全性は確認されているのですか。また、遺伝子組み換え飼料で育った家畜の肉や乳、卵を食べても大丈夫ですか。
- 除草剤耐性作物の栽培に使用されるグリホサートの安全性について教えてください。
- グリホサートの発がん性について、世界の規制当局と国際がん研究機関 (IARC) で評価が異なるのはどうしてでしょうか。
環境編
- 環境に対する影響はありませんか。
- 害虫抵抗性トウモロコシを害虫以外のチョウの幼虫などが食べて死んだりしませんか。
- 害虫に強い遺伝子組み換えトウモロコシを栽培し続けると、害虫の抵抗力が増して、害虫抵抗性の効果がなくなることはありませんか。
- 除草剤の影響を受けない作物の栽培によって農薬の使用量が増えませんか。
- 除草剤の影響を受けない植物が雑草化してしまったらどうするのですか。 また、その遺伝子が雑草に移って除草剤をまいても枯れない雑草が繁殖してしまったらどうするのでしょうか。
- こぼれ落ちた遺伝子組み換え作物が日本の生物多様性に悪影響を与えることはありませんか。
- 遺伝子組み換え作物の普及によって単一栽培が進み、品種の多様性が失われてしまったり、農業や食糧が特定の企業によって支配されてしまったりすることはないでしょうか。
- 遺伝子組み換え作物を栽培することで、環境に対してどのようなメリットが期待できますか。
- 遺伝子組み換え作物の栽培では、農家は毎年種子を購入する必要があると聞きましたが本当ですか。
- 遺伝子組み換え作物の種子は発芽しないように改変されているというのは本当ですか。
未来編
検証編
- 「遺伝子組み換えトウモロコシを2年間ラットに与えたところ、乳がんや脳下垂体異常、肝障害を発症した」という論文が発表されたと聞きましたが、本当に大丈夫ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズを食べたラットから生まれた仔ラットの死亡率が高く、成長も遅かった」という実験結果を聞きましたが、本当でしょうか。
- 「遺伝子組み換えジャガイモをラットに食べさせる実験を行ったところ、免疫力が低下した」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換え食品を食べると、抗生物質が効かなくなる」というのは本当ですか。
- 「承認されている遺伝子組み換え作物も、アレルギーの危険がある」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズが含まれるハンバーガーを食べたヒトの腸内細菌から除草剤耐性菌が検出された」と聞きましたが、本当に食べ続けても大丈夫なのでしょうか。
- 「遺伝子組み換えダイズを栽培したところ、非遺伝子組み換えのものより収量が減った」という報告は本当ですか。