よくある質問 - 中高生から寄せられた質問

質問

更新日:2024年1月29日

遺伝子組み換えの技術を利用することにより、解決できる問題はありますか。(2020年11月・高校生)

回答

遺伝子組み換え作物は、SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールのうち次の7つのゴールに貢献することが可能です。

遺伝子組み換え作物が貢献できるSDGsのゴール 理由

【1】貧困をなくそう
【8】働きがいも経済成長も

遺伝子組み換え作物の栽培による農家の収入の増加

遺伝子組み換え作物の採用により、2020年単年度で世界全体の農家の農業所得は188億ドル押し上げられ、うち98億ドルは途上国の農家に帰属1

【2】飢餓をゼロに

遺伝子組み換え作物の栽培による食糧の増産

  • 収穫の安定化により非遺伝子組み換え作物と比較して20%以上の収量増2
  • 遺伝子組み換え作物により生産サイクルが短縮化され裏作が可能となり、2020年においては世界全体で農地2,340万haに相当する年間増収効果1

【3】すべての人に健康と福祉を

遺伝子組み換え技術による栄養強化作物の開発

  • 貧困地域の子供たちのビタミンA欠乏を、主食を通じて改善する目的で開発されたベータカロテンを産生するゴールデンライス
  • オレイン酸含有量を高めた高オレイン酸ダイズ、栄養成分を強化したバナナやキャッサバ、ソルガム、スギ花粉米など。

【12】つくる責任とつかう責任(持続可能な消費と生産)

食品廃棄量の削減

傷や物理的衝撃による変色を起こしにくい遺伝子組み換えリンゴやジャガイモにより、見た目の悪さを理由とした無駄な廃棄を無くすことが可能

【13】気候変動に具体的な対策を

二酸化炭素放出量の削減

除草剤耐性の遺伝子組み換え作物は不耕起栽培(雑草防除のために農地を耕さない栽培)を可能とし、トラクターなどの燃料消費量の減少、及び不耕起栽培による土壌中炭素の大気への放出の抑制により、2020年の一年間で236億kg(自動車1,560万台分)の二酸化炭素放出を削減。1

【15】陸の豊かさも守ろう

農地面積拡大の抑制、土壌侵食の減少

  • 遺伝子組み換え作物が無ければ、2020年の生産量を維持するために2,340万haの農地が新たに必要1
  • 不耕起栽培により、土壌浸食や河川への有機物流出を抑制。
1Graham Brookes (2022) Farm income and production impacts from the use of genetically modified (GM) crop technology 1996-2020, DOI:10.1080/21645698.2022.21056262Klümper and Qaim (2014) A Meta-Analysis of the Impacts of Genetically Modified Crops. PLoS ONE 9(11).

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