よくある質問 - テクノロジー編
質問
更新日:2022年11月28日
現在、日本国内で開発が進められている遺伝子組み換え作物はありますか。
回答
日本国内でもさまざまな研究機関や企業において、遺伝子組み換え作物の開発が進められています。
スギ花粉症緩和米
現在日本人の約15%にあたる1700万人もの人が花粉症だといわれ、その数は年々増加しています。花粉症の予防的治療や対症療法には様々なものがありますが、どれも完全とは言えません。毎日のご飯を食べることで、スギ花粉症の治療ができれば、より簡単で安全です。このような考えから、開発されているのがスギ花粉症緩和米です。現在、医薬品としての実用化に向け、2015年よりヒトにおける臨床試験が始まっています。
耐病性イネ(WRKY45 高発現イネ)
いもち病や白葉枯病などの病気に対し抵抗性を持つイネの開発が行われています。植物病予防に使う農薬の低減や収量の安定化、環境負荷の低減、栽培コストの削減など、さまざまな面から期待が寄せられています。また、この技術は他のイネ科作物(コムギ、トウモロコシなど)への応用も期待されています。
ワクチン成分を作るコメ
遺伝子組み換え技術を用いて、コメにコレラのワクチン成分を作らせる研究が進んでいます。この技術が実用化されれば、従来のように注射器や薬を保管する冷蔵設備を使用することなく、低コストで多くの感染症を予防、治療できると注目されています。また、アルツハイマー病に対する「食べるワクチン」としての実用化を目指した、アミロイドベータタンパク質を生成する遺伝子組み換え米の研究も行われています。
土壌中の有害物質を吸収するイネ
イタイイタイ病の原因として知られるカドミウムは、人体への毒性が高く、汚染された農地で栽培された作物は、土壌中のカドミウムを吸収し蓄積します。このような作物から作られた食品を食べると、カドミウムは人体に取り込まれて有害な影響を及ぼします。カドミウム集積能の高いイネの開発は、ファイトレメディエーション(植物による環境修復)に要する期間を大幅に短縮し、またその一方で、「低カドミウム米」の開発にもつながるとして、注目を集めています。
青いカーネーションやバラなど
一般のバラやカーネーションは、花を青くする青色色素を持っていないため、交配を繰り返すだけでは青い花は咲きません。遺伝子組み換え技術により青色遺伝子を導入することで、青い花を咲かせることに成功しています。青いカーネーションは1997年より、青いバラは2009年より販売が開始されています。この他、胡蝶蘭をはじめ複数の植物でも青い花の開発が進んでおり、近い将来、実用化される見込みです。
(出典)
・農業生物資源研究所 「スギ花粉症緩和米の研究開発について」
・農業生物資源研究所「食と農の未来を提案するバイオテクノロジー平成27年度版」【PDF】
・2012年2月27日 東京大学プレスリリース「ファイトレメディエーション用カドミウム高吸収イネの開発に成功」
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遺伝子組み換え作物の種類
基礎編
食品・飼料編
- 日本で流通している遺伝子組み換え食品にはどのようなものがありますか 。
- 遺伝子組み換え食品の安全性は、誰がどのように確認しているのですか。
- 遺伝子組み換え作物を使った食品は、どのように表示されますか。
- 遺伝子組み換え食品を食べ続けても大丈夫ですか。
- 食べたら害虫が死んでしまうような遺伝子組み換え作物を人間や家畜が食べても平気ですか。
- アレルギーを引き起こす心配はありませんか。
- 飼料として使われる遺伝子組み換え農作物の安全性は確認されているのですか。また、遺伝子組み換え飼料で育った家畜の肉や乳、卵を食べても大丈夫ですか。
- 除草剤耐性作物の栽培に使用されるグリホサートの安全性について教えてください。
- グリホサートの発がん性について、世界の規制当局と国際がん研究機関 (IARC) で評価が異なるのはどうしてでしょうか。
環境編
- 環境に対する影響はありませんか。
- 害虫抵抗性トウモロコシを害虫以外のチョウの幼虫などが食べて死んだりしませんか。
- 害虫に強い遺伝子組み換えトウモロコシを栽培し続けると、害虫の抵抗力が増して、害虫抵抗性の効果がなくなることはありませんか。
- 除草剤の影響を受けない作物の栽培によって農薬の使用量が増えませんか。
- 除草剤の影響を受けない植物が雑草化してしまったらどうするのですか。 また、その遺伝子が雑草に移って除草剤をまいても枯れない雑草が繁殖してしまったらどうするのでしょうか。
- こぼれ落ちた遺伝子組み換え作物が日本の生物多様性に悪影響を与えることはありませんか。
- 遺伝子組み換え作物の普及によって単一栽培が進み、品種の多様性が失われてしまったり、農業や食糧が特定の企業によって支配されてしまったりすることはないでしょうか。
- 遺伝子組み換え作物を栽培することで、環境に対してどのようなメリットが期待できますか。
- 遺伝子組み換え作物の栽培では、農家は毎年種子を購入する必要があると聞きましたが本当ですか。
- 遺伝子組み換え作物との交配により除草剤の効かないスーパーウィードが出現していると聞きましたが本当ですか。
テクノロジー編
検証編
- 「遺伝子組み換えトウモロコシを2年間ラットに与えたところ、乳がんや脳下垂体異常、肝障害を発症した」という論文が発表されたと聞きましたが、本当に大丈夫ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズを食べたラットから生まれた仔ラットの死亡率が高く、成長も遅かった」という実験結果を聞きましたが、本当でしょうか。
- 「遺伝子組み換えジャガイモをラットに食べさせる実験を行ったところ、免疫力が低下した」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換え食品を食べると、抗生物質が効かなくなる」というのは本当ですか。
- 「承認されている遺伝子組み換え作物も、アレルギーの危険がある」というのは本当ですか。
- 「遺伝子組み換えダイズが含まれるハンバーガーを食べたヒトの腸内細菌から除草剤耐性菌が検出された」と聞きましたが、本当に食べ続けても大丈夫なのでしょうか。
- 「遺伝子組み換えダイズを栽培したところ、非遺伝子組み換えのものより収量が減った」という報告は本当ですか。
中高生から寄せられた質問
- 流通している遺伝子組み換え作物の種類は限られていますが、新たな遺伝子組み換え作物の開発には何かしらの障壁やデメリットがあるのでしょうか。 (2023年11月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品に危険性がないことを証明することは難しいのではないでしょうか。 (2023年11月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品の安全性や事実を世界に広めるためにするべきことは何ですか。 (2023年11月・高校生)
- 将来遺伝子組み換え技術に期待すること、また、そのために必要となる研究や技術はどのようなものですか。(2023年11月・高校生)
- 安全な遺伝子組み換え作物の種類を増やすときにネックとなる要素は何ですか。(技術面か、費用面か、規制面か、など) (2023年11月・高校生)
- 安全性審査を通らなかった遺伝子組み換え食品はどのくらいありますか。またもしあれば、それらは健康や環境にどのような悪影響を及ぼすと考えられますか。 (2023年11月・高校生)
- 将来予想される遺伝子組み換え食品の使用率は何%ぐらいですか。(2023年2月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品の1番解決しなければならない課題を教えて下さい。(2023年2月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品は気候に関係なく生産することはできますか。(2023年2月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品は日本で生産することができますか。(2023年2月・高校生)
- 遺伝子組み換えを行うことによる1番の利点を教えて下さい。(2023年2月・高校生)
- カナダで行われた調査で93%の妊婦、80%の胎児の血液から遺伝子組み換えトウモロコシに含まれるBt毒素(害虫を殺す成分)が発見されたと、あるNPO法人のホームページにありましたが、安全性をどのように周知していくのがよろしいでしょうか。 (2022年10月・高校生)
- 遺伝子組み換え食品の健康被害についてです。例えば、害虫が食べたら死んでしまうような遺伝子組み換え作物を人間が食べても平気なのでしょうか。(2022年10月・高校生)
- 遺伝子組み換えをする際にどのようにしてそれらの耐性を持った部分の遺伝子配列を解明しているのか教えて頂きたいです。(2022年5月・高校生)
- 遺伝子組み換えによって高温や、多湿に耐性を持った遺伝子組み換え作物の例があれば教えて頂きたいです。(2022年5月・高校生)
- 日本や、海外で小麦における高温や、多湿に耐性を持った遺伝子組み換え作物の研究がされているか教えて頂きたいです。(2022年5月・高校生)
- 未来は遺伝子組み換え作物でどう変わっていくのですか? (2020年11月・中学生)
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- 遺伝子組み換え作物を食べて人間のDNAが変わってしまったり機能が失われたりすることはありますか? (2020年11月・中学生)