よくある質問 - 環境編
質問
更新日:2022年11月28日
こぼれ落ちた遺伝子組み換え作物が日本の生物多様性に悪影響を与えることはありませんか。
回答
食品加工用に輸入される遺伝子組み換えナタネの環境に対する安全性は、栽培を目的とする場合とほぼ同じ評価が事前に行われ、確認されています。種子を取り扱うメーカーは、種子の状態で輸入されたナタネが、輸送中などにこぼれないように管理をしていますが、万が一こぼれた種子が発芽しても、それが繁殖して日本の固有植物や動物の生育を脅かすことがないことが、評価されています。また、遺伝子組み換えナタネ(セイヨウナタネ)と交雑可能で、日本の自然環境下で自生している種として、在来ナタネやカラシナなどがありますが、これらは、もともとは外来種であり、生物多様性影響を受ける可能性のある野生植物とはみなされておりません。
環境に対する安全性もあわせて調べられています
ナタネ油は日本で最も多く生産されている植物油で、サラダ油として広く利用されています。原料のナタネ(セイヨウナタネ)の種子は、大型船で輸入され、搾油工場に運ばれて油が搾られます。商社や加工メーカーは、輸送中に原料がこぼれないように厳重な管理をしていますが、ナタネの種子はゴマ粒程度でたいへん小さいこともあり、稀に運搬中にこぼれ落ち、こぼれた種が港の周辺や運送トラックが通った街道沿いで発芽してしまうことがあります。輸入されるナタネの多くは遺伝子組み換え品種ですが、遺伝子組み換えナタネについては、食品や飼料としての安全性のみならず、環境への安全性(生物多様性影響がないこと)も事前にしっかり調べられたうえで輸入されています。生物多様性影響評価において、遺伝子組み換えナタネが従来のナタネと比較して交雑性や種子の生産量を高めることはないこと、仮に交雑した場合でも、日本の生物多様性に影響を及ぼさないことが評価されています。
花粉の影響や交雑性についても確認されています
遺伝子組み換え作物の環境安全性は、その花粉が飛んで近縁種と交雑して影響を及ぼさないことも調べられて確認されています。
セイヨウナタネと同じアブラナ属の植物には、在来ナタネやセイヨウカラシナなどがあり、春先に道端や土手などで目にする、「菜の花」の多くはセイヨウカラシナです。遺伝子組み換えセイヨウナタネの花粉が飛んで、近縁の在来ナタネやカラシナと交雑することは起こりうることですが、その結果できた交雑種が優占化したり、組み込まれた遺伝子が拡がって日本の環境を脅かすようなことはありません。
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